第３節 成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する
負のＧＤＰギャップが解消されつつある中、賃上げの原資となる付加価値
を継続的に高めていくためには、人的資本の高度化を含め、供給力の強化を
図ることが必要である。供給力の強化に当たっては、投資を通じて資本蓄積
を進めることや、先進的な設備の導入及び省力化投資、高付加価値化に向け
た無形資産投資等によって生産性を高めることが重要である。
このため、社会課題への対応を成長のエンジンへと転換し、経済社会の持
続可能性を高める官民連携投資を拡大させるとともに、研究開発投資等を通
じてイノベーションを促進する。

１．生産性向上・供給力強化を通じて潜在成長率を引き上げるため
の国内投資の更なる拡大
（１）科学技術の振興及びイノベーションの促進
研究開発を始めとする無形資産投資は、生産性向上を通じて潜在成長率を
高める。このため、イノベーションを創出する先端的なプロジェクトの支援
や無形資産投資を後押しする税制 27等により、研究開発を促進するとともに、
その担い手の育成及び国際標準化の推進に取り組む。
ムーンショット型研究開発プログラム 28の研究開発を加速するとともに、
その成果の社会実装を支援するほか、新たにフュージョンエネルギーに関す
る研究領域をプログラムに追加する。
ＳＩＰ29やＢＲＩＤＧＥ30において活躍する事業者の負担を軽減するため、
生成ＡＩの導入を支援する。
新規治療法や革新的新薬の開発を促進するため、がんや難病患者の遺伝情
報等（全ゲノムデータ）を搭載した質の高い情報基盤を構築し、その利活用
27 令和６年度税制改正で検討・結論。
28 我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にないより大胆な発想に基づく
挑戦的な研究開発を推進するプログラム。
29 基礎研究から社会実装まで研究開発を省庁横断的に一気通貫で推進する戦略的イノベーション創造
プログラム。
30 研究成果を社会課題解決や新事業創出へと橋渡しする事業。

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