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デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージに向けて~(令和5年11月2日閣議決定) (7 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/keizaitaisaku.html
出典情報 デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージに向けて~(11/2)《内閣府》
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第1章 経済の現状認識と経済対策の基本的考え方
1.経済の現状認識
我が国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、改善しつつある。2023 年4
-6月期のGDPは、名目・実質とも3四半期連続のプラス成長となり、過
去最高水準となった。30 年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲
など、経済の先行きに前向きな動きがみられ、税収も増加している。他方、
輸入物価の上昇に端を発する物価高の継続は、国民生活を圧迫し、回復に伴
う生活実感の改善を妨げている。今こそ、成長の成果を国民に適切に「還元」
するべき時である。
今回の物価高は、基本的に、国際的な原材料価格の上昇や円安があいまっ
た輸入物価の上昇を起点とするものであるが、その一方で、企業間の取引に
おける価格転嫁を進め、また、賃上げのきっかけにもなるなど、価格・賃金
設定行動に変化をもたらしている。経済状況が改善する中、長年のデフレ・
低インフレの下で定着した物価や賃金は上がらないという国民や事業者の意
識は変化してきている。
「新しい資本主義」の旗印の下、岸田内閣は我が国が直面する社会課題に
正面から取り組むとともに、その取組自体を成長のエンジンに変える成長戦
略を進めてきた。現在は、低物価・低賃金・低成長に象徴される「コストカ
ット型経済」から 30 年ぶりの変革を果たすまたとないチャンスを迎えてい
る。足元では、設備投資に続き、物価や賃金が上昇し、賃金と物価が好循環
する「新たなステージ」への光が差しつつある。このチャンスを活かし、物
価上昇を乗り越える構造的な賃上げと脱炭素やデジタルなど攻めの投資の拡
大によって消費と投資の力強い循環につなげていく。このため、3年程度の
「変革期間」を視野に入れ、人口減少・少子高齢化を始めとする社会課題へ
の対応の取組をエンジンとしながら、熱量溢れる新たなステージへと移行さ
せるための取組を集中的に講じていく。本経済対策はそのためのスタートダ
ッシュを図るものとしなければならない。
2023 年 4-6 月期のGDPは外需が牽引してプラス成長となった一方で、
国民の消費や投資動向は力強さに欠ける状況にあり、まずは、足元の物価高
から国民生活・事業活動を守る対策に万全を期す。これにより、国民の所得
を下支えし、新たなステージへの移行に向けた動きを後戻りさせない。併せ
て、適切な価格転嫁を進め、賃上げの流れを地方・中堅・中小企業にも波及
させ、賃上げのモメンタムの維持・拡大を図る。
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