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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html |
出典情報 | 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》 |
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いたします。
抗凝固薬服用患者(国内推定 150 万人以上)や抗血小板薬服用者(国内推定 600 万
人以上)では、癌進行による消化管出血により休薬しなければならない病態となり、
休薬に係る血栓塞栓性合併症といった不利益が生じることも考えられます。当該医療
技術が生命予後へ与える直接的影響は一様に説明することは困難ですが、局所癌病変
制御により出血性合併症等の低減が期待でき、生命予後及び QOL の改善に寄与すると
考えます。生命予後に関しては、本臨床研究実施期間終了後も追跡調査の継続を計画
し、全生存割合(3 年生存率、5 年生存率)等について評価することとします。
ご指摘を受け、背景並びに本臨床研究実施期間終了後の追跡調査計画について記載
整備を行います。
○ 食道癌、胃癌の未治療自然史について
食道癌、胃癌に対する未治療自然史に関するエビデンスは疫学的な検討が中心であ
り、切除標本の病理診断が不能であることから、データの解釈には限界があります。
引用した論文の報告時期に比べて、癌の早期診断や集学的治療、周術期管理が進歩し
ていることから、内視鏡的切除や外科的切除の適応が拡大し、また、治療成績が向上
している可能性があり、これらエビデンスの解釈には注意が必要となります。その上
で、研究計画書で引用した参考文献等では、以下のデータが示されています。
国内 71 例の早期胃癌患者を対象とした Tsukuma らの後方視的検討においては、
56 例中進行癌となる中央値は 44 ヶ月、5 年累積リスク 63%と報告されています(観
察期間 6-137 ヶ月、平均 39 ヶ月)。非切除症例 38 例のうち、35 例が観察期間に死亡
が確認され、23 例(66%)が原病死、9 例(26%)が他病死、3 例が不明であり、5 年
疾患特異的生存率は 62.8%という結果が報告されています(観察期間 13-207 ヶ月、
平均 72 ヶ月)。しかしながら、本報告では患者の年齢や併存疾患等の背景情報の詳細
については報告されていません。
韓国 Oh らの 101 例(年齢中央値 68 歳[範囲 29‒86 歳])の胃癌自然史に関する
後方視的検討では、TNM 病期に応じた未治療の胃がん患者の平均生存期間(95%CI)は、
I 期で 63(47-78)ヵ月、II 期で 25(16-35)ヵ月、III 期で 13(9-17)ヵ月、IV 期で 10(515)ヵ月(p<0.001)でありました。また、胃癌の未治療患者の生存期間中央値[範囲]は、
I 期で 58.0[5.9-144.8]ヵ月、II 期で 20.2[4.5-70.5]ヵ月、III 期で 12.6[2.7-33.2]
ヵ月、および IV 期で 6.8[2.1-35.4]ヵ月であり、未治療患者の 5 年生存率は、I 期で
46.2%、II 期、III 期、IV 期でそれぞれ 0%という結果が報告されています。
米国癌データベースを用いた Keshava らの検討(未治療食道癌 598 例(扁平上
皮癌約4割)、未治療胃癌 690 例)では、食道癌臨床病期 I 期の 5 年生存率は切除可
能症例 10%(生存期間中央値 11.5 ヶ月)、切除困難症例 4.7%;胃癌臨床病期 I 期の
5 年生存率は切除可能症例 9.2%(生存期間中央値 8.6 ヶ月)、切除困難症例 0.5%と
いう結果が報告されています。
中国 Guanrei らからの手術治療、放射線治療、化学療法いずれも拒否した早期
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抗凝固薬服用患者(国内推定 150 万人以上)や抗血小板薬服用者(国内推定 600 万
人以上)では、癌進行による消化管出血により休薬しなければならない病態となり、
休薬に係る血栓塞栓性合併症といった不利益が生じることも考えられます。当該医療
技術が生命予後へ与える直接的影響は一様に説明することは困難ですが、局所癌病変
制御により出血性合併症等の低減が期待でき、生命予後及び QOL の改善に寄与すると
考えます。生命予後に関しては、本臨床研究実施期間終了後も追跡調査の継続を計画
し、全生存割合(3 年生存率、5 年生存率)等について評価することとします。
ご指摘を受け、背景並びに本臨床研究実施期間終了後の追跡調査計画について記載
整備を行います。
○ 食道癌、胃癌の未治療自然史について
食道癌、胃癌に対する未治療自然史に関するエビデンスは疫学的な検討が中心であ
り、切除標本の病理診断が不能であることから、データの解釈には限界があります。
引用した論文の報告時期に比べて、癌の早期診断や集学的治療、周術期管理が進歩し
ていることから、内視鏡的切除や外科的切除の適応が拡大し、また、治療成績が向上
している可能性があり、これらエビデンスの解釈には注意が必要となります。その上
で、研究計画書で引用した参考文献等では、以下のデータが示されています。
国内 71 例の早期胃癌患者を対象とした Tsukuma らの後方視的検討においては、
56 例中進行癌となる中央値は 44 ヶ月、5 年累積リスク 63%と報告されています(観
察期間 6-137 ヶ月、平均 39 ヶ月)。非切除症例 38 例のうち、35 例が観察期間に死亡
が確認され、23 例(66%)が原病死、9 例(26%)が他病死、3 例が不明であり、5 年
疾患特異的生存率は 62.8%という結果が報告されています(観察期間 13-207 ヶ月、
平均 72 ヶ月)。しかしながら、本報告では患者の年齢や併存疾患等の背景情報の詳細
については報告されていません。
韓国 Oh らの 101 例(年齢中央値 68 歳[範囲 29‒86 歳])の胃癌自然史に関する
後方視的検討では、TNM 病期に応じた未治療の胃がん患者の平均生存期間(95%CI)は、
I 期で 63(47-78)ヵ月、II 期で 25(16-35)ヵ月、III 期で 13(9-17)ヵ月、IV 期で 10(515)ヵ月(p<0.001)でありました。また、胃癌の未治療患者の生存期間中央値[範囲]は、
I 期で 58.0[5.9-144.8]ヵ月、II 期で 20.2[4.5-70.5]ヵ月、III 期で 12.6[2.7-33.2]
ヵ月、および IV 期で 6.8[2.1-35.4]ヵ月であり、未治療患者の 5 年生存率は、I 期で
46.2%、II 期、III 期、IV 期でそれぞれ 0%という結果が報告されています。
米国癌データベースを用いた Keshava らの検討(未治療食道癌 598 例(扁平上
皮癌約4割)、未治療胃癌 690 例)では、食道癌臨床病期 I 期の 5 年生存率は切除可
能症例 10%(生存期間中央値 11.5 ヶ月)、切除困難症例 4.7%;胃癌臨床病期 I 期の
5 年生存率は切除可能症例 9.2%(生存期間中央値 8.6 ヶ月)、切除困難症例 0.5%と
いう結果が報告されています。
中国 Guanrei らからの手術治療、放射線治療、化学療法いずれも拒否した早期
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