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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html
出典情報 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》
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こで、期待完全奏効割合について、食道癌対する過去の治療成績に基づき設定した。APC 療法により
食道表在癌を制御し、消失させることにより、癌の進行に伴う症状の緩和及び予防、QOL の向上を図
ること、および以下の理由から、閾値完全奏効割合についてレザフィリン PDT の国内Ⅱ相試験「食道
癌化学放射線療法後の局所遺残再発例に対する ME2906 および PNL6405EPG を用いた光線力学的療
法の多施設共同臨床第 II 相試験」
(KUTR-015-2 試験)を参考に設定した。
内視鏡的切除不能な食道癌に対する治療の選択肢として内視鏡的光線力学療法である PDT と
APC 療法が挙げられており(食道癌診療ガイドライン 2017 年版)、レザフィリン PDT と同等
以上の有効性を示すことができれば臨床的に意義があると考えられたこと。
国内において治療歴のない食道癌を対象としたレザフィリン PDT の有効性を評価した前向き試
験の成績は存在しないことから、KUTR-015-2 試験と比較し、化学放射線治療歴の有無による
対象患者の差異があるものの、局所奏効割合の臨床的意義は大きく変わらず、閾値設定への影響
は無視できる程度と考えられた。
なお、KUTR-015-2 試験では、評価期間を術後 6 カ月までの最良効果としている点で本試験と異なる
が、3 ヶ月時点で評価を行う本研究の設定の方が早期に遺残再発病変を適切に見積もることになる。追
加治療の機会を担保する意味においても、妥当と考えている。
以下の理由から、期待完全奏効割合を 0.9、閾値完全奏効割合を 0.7 として、第一種の過誤確率(α)を
2.5%片側、第二種の過誤確率(β)を 10%(検出力 90%)としたときに、APC 療法が PDT と同程度の完全
奏効割合を検証するための必要症例数は、二項分布に基づくと 49 例となる。同意撤回等の除外例を想
定し、目標症例数を 54 例とした。
期待完全奏効割合を 0.9、閾値完全奏効割合を 0.7 とした理由:
食道癌に対する過去の治療成績より、食道癌における完全奏効割合の平均、中央値、(最小、最大)は
0.902, 0.917, (0.800, 0.975)であり、また上述したレザフィリン PDT 国内第 II 相試験の完全奏効割合
[95%信頼区間]は 0.885[0.698,0.976]
(23/26 例)であった。これらを参考に評価例数、調査対
象とした文献における脱落、無効、あるいは評価不能等による有効性への偏りの影響を勘案し、期待完
全奏効割合を 0.9 と設定した。閾値完全奏効割合の設定に関しては、上述したレザフィリン PDT 国内
第 II 相試験の完全奏効割合の 95%信頼区間の下限を目安とし、閾値完全奏効割合を 0.7 と設定した。
予定試験期間の設定根拠:
研究実施機関の調査において、本研究の対象となる登録候補患者が 2 年間で 5〜10 名程度見込まれ
る。アンケート調査の限界や登録開始までに要する時間に各機関でばらつきが生じることを考慮し、
目標症例数の集積に必要な期間は先進医療告示適用日からから 2 年 6 ヵ月とした。本研究での APC 療
法後 72 週の経過観察を継続することから、研究実施期間は先進医療告示適用日から 4 年 6 ヵ月とし
た。

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