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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html
出典情報 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》
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である 14)。一方、病変が粘膜内に限局する早期食道癌の内視鏡切除の治療成績について
は、2005 年から 2010 年の 330 名 396 病変の検討によると、5 年生存率は 95.1%、5 年疾患
特異的生存率は 99.1%である 15)。
・内視鏡的切除の合併症
内視鏡的切除の合併症としては術後出血、消化管穿孔がある。300 病変以上の胃癌を対象
に行った報告によると、術後出血は 0〜15.6%、消化管穿孔は 1.2〜5.2%である。EMR/ESD
中の出血、特に ESD 中の軽微なものを含めると出血はほぼ必発であるが、その対応が不適
切な場合には、循環動態などに影響を及ぼし、輸血、緊急 Interventional radiology(IVR)、
手 術 を 要 す る 可 能 性 が あ る 。 American Society of Anesthesiologists Physical
Status(ASA-PS)分類別患者の内視鏡的切除のリスクに関して、ASA-PS2、3 の患者は ASA-PS1
の患者と比べて抗血栓療法施行例が優位に多く(p<0.0001)、ESD に関連した術後出血、穿
孔等の合併症は ASA-PS2、3 は ASA-PS1 と比較して有意に多いと報告されている。さらに、
抗血栓療法が施行されている高齢者の胃 ESD の検討では、術後出血 9.7-38%、ヘパリン置
換症例に限定すると 33-57%と非常に高率に術後出血が起こることがわかる。血栓塞栓症の
発生も 0.5-4.2%に見られ、出血のみならず血栓塞栓症のリスクも高いことが報告されてい
る。
・アルゴンプラズマ併用高周波凝固焼灼療法
アルゴンプラズマ併用高周波凝固焼灼療法(APC 療法)は、アルゴンガスを標的表層組織に
噴霧し、電気手術器により組織凝固を行うものであり、主に内視鏡的止血療法として日常
診療で実施されている。粘膜表層組織を凝固し、細胞死を引き起こすことから、EMR/ESD が
困難な上部消化管粘膜癌に対する治療としても行われることがある。胃癌治療ガイドライ
ン 6 版において、患者の併存疾患等の条件により内視鏡的切除が施行できない場合の選択
肢として、APC 療法の有効性が示されている。EMR/ESD に比べて併存疾患など患者条件が悪
いにもかかわらず、術後出血や消化管穿孔の発生リスクが低いことが報告されている。
表 2 胃癌に対する EMR/ESD と APC 療法の偶発症に関する比較
EMR/ESD

APC 療法

術後出血

0~15.6%

0~2%

消化管穿孔

1.2~5.2%

0~2.5%

ESD は鎮静を要し、手技所要時間が 60~120 分(準備等を含めた治療時間 70−130 分)であ
るのに対して、APC 手技所要時間は 10~20 分(準備等を含めた治療時間 20−40 分)と比較
的短時間で実施可能な治療である。APC 療法は治療に要する時間が短いことから、鎮静時
間および鎮静の程度も軽減でき、鎮静が困難な場合には無鎮静での実施も可能である。ま
た、ESD は入院治療を要するが、通常、APC 療法は外来で実施できる治療である。治療後
サーベイランスの実施時期については、診療として医師の裁量により必要な時期に実施さ
れ、明確な基準がないのが現状である。既報の後方視的検討においては、ESD の局所再発
率は 1%以下であるのに対し、APC 療法では食道表在癌、胃癌いずれも局所再発が 10%程度

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