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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html
出典情報 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》
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Keshava らの検討 20)(未治療食道癌 598 例[扁平上皮癌約4割]、未治療胃癌 690 例)では、食道癌臨
床病期 I の 5 年生存率は切除可能症例 10%(生存期間中央値 11.5 ヶ月)
、切除困難症例 4.7%;胃癌臨
床病期 I の 5 年生存率は切除可能症例 9.2%(生存期間中央値 8.6 ヶ月)
、切除困難症例 0.5%であっ
た。上記報告は全て後方視的検討であり、未治療の早期癌が進行することは疑う余地はないが、未治療
の理由等を含めバイアスが大きいデータである。内視鏡治療を行うことで生命予後や QOL の改善に寄
与すること、または、内視鏡治療と外科手術を比較し、両者における生命予後や QOL の違いについて
明確に示した参考論文は認められなかったが、食道表在癌を未治療で経過観察された場合には、数年後
に進行癌に発育し、嚥下障害、栄養障害、気道狭窄、誤嚥、瘻孔形成、出血、胸痛発現等の症状を引き
起こし、QOL が低下する可能性がある 21),22)。癌に起因する諸症状に着眼し、食道表在癌の自然史を検
討した報告は認められなかったが、高齢化が進む我が国においては、併存疾患等を有することで EMR
/ESD が困難である食道表在癌が存在することに配慮しなければならない。このような患者の場合、
出血を含む諸症状は、基礎疾患の病状悪化や、基礎疾患に対する治療継続の障壁となるなど、生命予後
の悪化や QOL 低下を助長する恐れがある。食道表在癌と診断されても全例が早期に癌死(原病死)に
至るとは考えられないが、患者の病状や条件を加味し、リスク・ベネフィットを総合的に考量し、何ら
かの治療機会(保険診療)を創出する必要がある。
・対象集団選択の根拠
本研究の対象癌病変は、内視鏡観察による深達度診断の正診率、これまでの内視鏡的切除(EMR/ESD)
の治療実績に加え、APC 療法及びタラポルフィンナトリウム(レザフィリン)を用いた光線力学的療
法の有効性データを参考に、APC 療法により高い治療成績が期待できる食道癌 T1a-EP/LPM とした。
また、患者条件としては、併存疾患等で内視鏡的切除及び外科的切除が困難な患者で、診療ガイドライ
ンに基づく標準的な治療が困難な集団であり、切除可能な患者群よりも明らかに生命予後が悪いと推
定されるコホートである。本研究で想定する肝硬変患者を対象とした疫学研究は限定的であり、生命予
後に関する参考文献は極めて少ない。厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)分担研究
「肝硬変患者の生命予後の検討」において単施設 267 名の肝硬変患者が調査され、Child 分類 A、B の
3 年累積生存率は 93.5%、71.0%であることが示された 23)。現在、国立研究開発法人日本医療研究開
発機構(AMED)肝炎等克服実用化研究事業「肝硬変患者の QOL の向上及び予後改善に資する研究」
として、多施設データが調査されているところだが、詳細な結果は明らかでない。当該 AMED 研究事
業の先行研究では、累積生存率に関して、非代償性肝硬変患者の 3 年目/5 年目累積生存率は
57.1%/32.2%、代償性肝硬変では 83.0% /61.1%であることが示されたが、研究期間が 2 年と限られて
いた点が指摘されている 24)。日本透析医学会統計調査に基づく「わが国の慢性透析療法の現況 (2021
年 12 月 31 日現在)」において、慢性透析患者の死亡原因は心不全、感染症が多く、続いて悪性新生物
がおよそ 9%を占めている 25)。感染症が漸増、脳血管障害が漸減するなか、悪性新生物は一定に推移し
ている。慢性透析患者の平均余命を踏まえ、本研究で対象とする肝硬変や慢性透析患者であっても、一
定程度の生命予後が残されていることがわかる。
侵襲的治療前の患者の併存疾患と死亡率について広く用いられる CCI を用い、2011 年に我が国
2,361,957 名(65 歳以上 56.9%)の診療情報を含む 6 カ国のデータベースを用いてスコアリングシス
テムが更新され、我が国の在院死亡率(18 歳以上)は CCI スコア 3 で 10%程度に達し、CCI スコア
増加に伴って死亡率が上昇することが示されている(表 5)26)。また、CCI スコア≧3 は ASA-PS≧2

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