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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (20 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html |
出典情報 | 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》 |
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(キ)
慢性呼吸不全により酸素投与を
している者
(ク)
軽度〜中等度の認知症
(ケ)
(ア)〜(ク)に該当しないが、
ECOG Performance Status (PS) 1〜
3 の者(PS Score が 4 の患者は除
く)
(以下略)
(エ)
血液疾患のうち、血小板が減少
しているが 3 万/µL 以上を有する者
(オ)
慢性呼吸不全により酸素投与を
している者
(カ)
過去に内視鏡治療歴があり、そ
の瘢痕部に試験対象病変がある者
6)ECOG Performance Status (PS) 1〜3
の者(PS Score が 4 の患者は除く)
(以下略)
侵襲的治療前の患者の併存疾患と死亡率について広く用いられる評価指標として、
1987 年に Charlson らによって提唱された CCI は、2011 年に我が国 2,361,957 名(65
歳以上 56.9%)の診療情報を含む 6 カ国のデータベースを用いてスコアリングシステ
ムが更新されました。再検討された CCI スコアリングにおいて、我が国の在院死亡率
(18 歳以上)は CCI スコア 3 で 10%程度に達し、CCI スコア増加に伴って死亡率が上
昇することが報告されています 3)(表)。75 歳以上の食道 ESD に関する我が国の後方
視的検討においても、CCI≧2 が術後死亡に関連する唯一のリスク因子として報告され
ています(hazard ratio 7.92, 95%CI:3.42‒18.3, p<0.001)4)。85 歳以上の超高齢胃癌
患者に対する無治療と ESD を比較した後方視的多施設共同研究では、CCI≧3 が生命予
後を短縮する因子であることが報告されています(hazard ratio 3.25, 95%CI:1.59‒
6.63, p<0.01)5)。他方、CCI スコアが低い超高齢患者に対する ESD は、癌関連症状に
よる癌死リスクの低減に寄与する可能性があるとされます。内視鏡的治療では CCI と
生命予後に関する報告が散見されますが、術後合併症や治療関連死亡に関する報告は
限定的となっています。食道癌手術に関しては、スウェーデンや米国のレジストリ研
究から CCI≧2 以上で術後合併症が上昇することが報告され、特に肺疾患、心疾患、
糖尿病、脳血管疾患、認知症、片麻痺を有する患者の術後合併症リスクの上昇が報告
されています 6)。胃切除については、我が国から年齢調整 CCI≧6 が術後合併症リスク
因子として報告されています 7)。この報告では、胃癌患者のベースライン得点が 2 点
であり、40 歳以上で 10 歳毎に 1 点加点され、60 歳胃癌患者では CCI スコア≧2 が術
後合併症の発症リスク因子に相当することになります(70 歳では CCI スコア≧1に相
当する)。本臨床研究で使用する「JCOG 高齢者研究ポリシー推奨高齢者機能評価ツー
ル:CCI(Charlson Comorbidity Index)アップデート・バージョン」(PRT 8.1.1
研究対象者背景情報を参照)は、我が国の約 223 万人の診療データを含めてアップデ
ートおよび妥当性を再検証された CCI スコアリングとなります。1987 年に CCI が提唱
されてから広く使用されていますが、併存疾患の治療及び周術期管理の向上などを受
け、当時のスコアリングシステムの妥当性が再検討され、2011 年にアップデートされ
たものになります。以上のことより、本試験で上記 CCI 指標を使用することは妥当で
あると考えました。
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慢性呼吸不全により酸素投与を
している者
(ク)
軽度〜中等度の認知症
(ケ)
(ア)〜(ク)に該当しないが、
ECOG Performance Status (PS) 1〜
3 の者(PS Score が 4 の患者は除
く)
(以下略)
(エ)
血液疾患のうち、血小板が減少
しているが 3 万/µL 以上を有する者
(オ)
慢性呼吸不全により酸素投与を
している者
(カ)
過去に内視鏡治療歴があり、そ
の瘢痕部に試験対象病変がある者
6)ECOG Performance Status (PS) 1〜3
の者(PS Score が 4 の患者は除く)
(以下略)
侵襲的治療前の患者の併存疾患と死亡率について広く用いられる評価指標として、
1987 年に Charlson らによって提唱された CCI は、2011 年に我が国 2,361,957 名(65
歳以上 56.9%)の診療情報を含む 6 カ国のデータベースを用いてスコアリングシステ
ムが更新されました。再検討された CCI スコアリングにおいて、我が国の在院死亡率
(18 歳以上)は CCI スコア 3 で 10%程度に達し、CCI スコア増加に伴って死亡率が上
昇することが報告されています 3)(表)。75 歳以上の食道 ESD に関する我が国の後方
視的検討においても、CCI≧2 が術後死亡に関連する唯一のリスク因子として報告され
ています(hazard ratio 7.92, 95%CI:3.42‒18.3, p<0.001)4)。85 歳以上の超高齢胃癌
患者に対する無治療と ESD を比較した後方視的多施設共同研究では、CCI≧3 が生命予
後を短縮する因子であることが報告されています(hazard ratio 3.25, 95%CI:1.59‒
6.63, p<0.01)5)。他方、CCI スコアが低い超高齢患者に対する ESD は、癌関連症状に
よる癌死リスクの低減に寄与する可能性があるとされます。内視鏡的治療では CCI と
生命予後に関する報告が散見されますが、術後合併症や治療関連死亡に関する報告は
限定的となっています。食道癌手術に関しては、スウェーデンや米国のレジストリ研
究から CCI≧2 以上で術後合併症が上昇することが報告され、特に肺疾患、心疾患、
糖尿病、脳血管疾患、認知症、片麻痺を有する患者の術後合併症リスクの上昇が報告
されています 6)。胃切除については、我が国から年齢調整 CCI≧6 が術後合併症リスク
因子として報告されています 7)。この報告では、胃癌患者のベースライン得点が 2 点
であり、40 歳以上で 10 歳毎に 1 点加点され、60 歳胃癌患者では CCI スコア≧2 が術
後合併症の発症リスク因子に相当することになります(70 歳では CCI スコア≧1に相
当する)。本臨床研究で使用する「JCOG 高齢者研究ポリシー推奨高齢者機能評価ツー
ル:CCI(Charlson Comorbidity Index)アップデート・バージョン」(PRT 8.1.1
研究対象者背景情報を参照)は、我が国の約 223 万人の診療データを含めてアップデ
ートおよび妥当性を再検証された CCI スコアリングとなります。1987 年に CCI が提唱
されてから広く使用されていますが、併存疾患の治療及び周術期管理の向上などを受
け、当時のスコアリングシステムの妥当性が再検討され、2011 年にアップデートされ
たものになります。以上のことより、本試験で上記 CCI 指標を使用することは妥当で
あると考えました。
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