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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (77 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html |
出典情報 | 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》 |
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【別添2】
「食道表在癌に対するアルゴンプラズマ併用高周波凝固焼灼療法」の
期待される適応症、効能及び効果(申請書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
適応症:食道表在癌
効能・効果:
・食道表在癌に対する内視鏡的治療等
遠隔転移やリンパ節転移リスクの低い肉眼的食道粘膜内癌に対しては内視鏡的切除が標準治療である。
内視鏡的切除では食道が温存されることから、内視鏡治療は外科治療より QOL が良好であることが推
察され、内視鏡治療で根治が得られる可能性が高い病巣に対しては内視鏡治療を行う。内視鏡的切除の
適応外病変、もしくは何らかの要因により内視鏡的切除が困難な場合には外科治療を行う。透析、出血
傾向、抗血栓療法の休薬困難などによる術後出血のリスクが高い場合や瘢痕のため EMR/ESD に難渋
する場合には、術後合併症を引き起こすリスクが増加するため内視鏡的切除が困難であることも少な
くない。このような場合、アルゴンプラズマ凝固焼灼(APC:Argon Plasma Coagulation Ablation)療
法が選択肢として挙げられる。1)内視鏡的切除が困難な食道癌では、放射線療法および化学放射線療法
の選択もあるが、骨髄抑制を含めた副作用等による身体的・精神的負担があり、適応は限定される。タ
ラポルフィンナトリウム(レザフィリン)を用いた光線力学的療法(PDT:Photodynamic therapy)は光
線過敏症等の副作用や、入院加療を要することから、その適応は「化学放射線療法又は放射線療法後の
局所遺残再発食道癌」に限られる 12)。また、表 1 にあるとおり光線力学的療法の実施件数は非常に限
られている。
表 1 厚生労働省第 5 回 NDB オープンデータベース*
食道癌
件数(%)
EMR/ESD
12412(68.2)
内視鏡的光線力学療法
134(0.7)
開胸手術
1734(9.5)
胸腔鏡手術
3835(21.1)
縦隔鏡手術
90(0.5)
総数
18205
*平成 30 年度のレセプト情報及び平成 29 年度の特定健診情報
・内視鏡的切除の治療成績
病変が粘膜内に限局する早期食道癌の内視鏡的切除の治療成績については、
2005 年から 2010 年の 330
名 396 病変の検討によると、5 年生存率は 95.1%、5 年疾患特異的生存率は 99.1%である 13)。
・内視鏡的切除の合併症
内視鏡的切除の合併症としては術後出血、消化管穿孔がある。日本消化器内視鏡学会が主導した消化器
内視鏡関連の偶発症に関する全国調査(2008 年~2012 年の 5 年間)では、食道 ESD の偶発症発生率
は 2.847%、死亡例は 1 例であった 14)。詳細が把握できる 255/299 例の偶発症のうち、消化管穿孔 148
例(58%)が最も多く、狭窄 33 件(13%)
、出血 21 件(8%)がこれに続いていた。EMR/ESD 中の
出血、特に ESD 中の軽微なものを含めると出血はほぼ必発であるが、その対応が不適切な場合には、
循環動態などに影響を及ぼし、輸血、緊急 Interventional radiology(IVR)、手術を要する可能性があ
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「食道表在癌に対するアルゴンプラズマ併用高周波凝固焼灼療法」の
期待される適応症、効能及び効果(申請書類より抜粋)
3.期待される適応症、効能及び効果
適応症:食道表在癌
効能・効果:
・食道表在癌に対する内視鏡的治療等
遠隔転移やリンパ節転移リスクの低い肉眼的食道粘膜内癌に対しては内視鏡的切除が標準治療である。
内視鏡的切除では食道が温存されることから、内視鏡治療は外科治療より QOL が良好であることが推
察され、内視鏡治療で根治が得られる可能性が高い病巣に対しては内視鏡治療を行う。内視鏡的切除の
適応外病変、もしくは何らかの要因により内視鏡的切除が困難な場合には外科治療を行う。透析、出血
傾向、抗血栓療法の休薬困難などによる術後出血のリスクが高い場合や瘢痕のため EMR/ESD に難渋
する場合には、術後合併症を引き起こすリスクが増加するため内視鏡的切除が困難であることも少な
くない。このような場合、アルゴンプラズマ凝固焼灼(APC:Argon Plasma Coagulation Ablation)療
法が選択肢として挙げられる。1)内視鏡的切除が困難な食道癌では、放射線療法および化学放射線療法
の選択もあるが、骨髄抑制を含めた副作用等による身体的・精神的負担があり、適応は限定される。タ
ラポルフィンナトリウム(レザフィリン)を用いた光線力学的療法(PDT:Photodynamic therapy)は光
線過敏症等の副作用や、入院加療を要することから、その適応は「化学放射線療法又は放射線療法後の
局所遺残再発食道癌」に限られる 12)。また、表 1 にあるとおり光線力学的療法の実施件数は非常に限
られている。
表 1 厚生労働省第 5 回 NDB オープンデータベース*
食道癌
件数(%)
EMR/ESD
12412(68.2)
内視鏡的光線力学療法
134(0.7)
開胸手術
1734(9.5)
胸腔鏡手術
3835(21.1)
縦隔鏡手術
90(0.5)
総数
18205
*平成 30 年度のレセプト情報及び平成 29 年度の特定健診情報
・内視鏡的切除の治療成績
病変が粘膜内に限局する早期食道癌の内視鏡的切除の治療成績については、
2005 年から 2010 年の 330
名 396 病変の検討によると、5 年生存率は 95.1%、5 年疾患特異的生存率は 99.1%である 13)。
・内視鏡的切除の合併症
内視鏡的切除の合併症としては術後出血、消化管穿孔がある。日本消化器内視鏡学会が主導した消化器
内視鏡関連の偶発症に関する全国調査(2008 年~2012 年の 5 年間)では、食道 ESD の偶発症発生率
は 2.847%、死亡例は 1 例であった 14)。詳細が把握できる 255/299 例の偶発症のうち、消化管穿孔 148
例(58%)が最も多く、狭窄 33 件(13%)
、出血 21 件(8%)がこれに続いていた。EMR/ESD 中の
出血、特に ESD 中の軽微なものを含めると出血はほぼ必発であるが、その対応が不適切な場合には、
循環動態などに影響を及ぼし、輸血、緊急 Interventional radiology(IVR)、手術を要する可能性があ
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