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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00069.html
出典情報 先進医療会議(第131回 4/10)《厚生労働省》
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ない理由を説明してください。
【回答】
併存疾患等を有するハイリスク患者に限定した合併症発生率の報告はありません
が、高齢者胃 ESD の合併症については、後出血 2.6-15.2%、穿孔 1.7-4.5%、誤嚥性肺
炎 0.9-4.5%と報告されています1)。さらに、抗血栓療法施行中の高齢者 ESD の合併
症については、後出血 9.7-38%、ヘパリン置換後の後出血 33-57%、血栓塞栓症 0.54.2%と報告されており、抗血栓療法中の高齢者では後出血の頻度が高く、少数ではあ
りますが血栓塞栓症を認めています。また、慢性腎臓病患者(CKD)については、技
術的に ESD が可能である一方で、透析患者や抗血栓薬(抗血小板薬・抗凝固薬等)の
内服を要し併存疾患を有する CKD、肝硬変を有する CKD の出血合併症に注意する必要
があると報告されています(表1)。また、肝硬変患者に対する胃 ESD の安全性は許
容範囲と報告されていますが、後述の日本消化器内視鏡学会主導の消化器内視鏡関連
の偶発症全国調査に比べて後述の報告では合併症の発生率が高い傾向にあります(表
2)。加えて、肝硬変が進行するほど手技関連合併症の発生リスクが高くなると報告
されています。
表1

慢性腎臓病患者に対する ESD(参考文献より抜粋、一部改変)
CKD, n/
病変, n

透析,n

HR, n

完全一括切

消化管穿

除(R0), %

孔, n(%)

出血, n(%)

死亡, n(%)

Goto et al

7/9

7

ND

100/100

0 (0)

1 (14)

0 (0)

Kwon et al

171/19

8

ND

94.7/94.7

0 (0)

3 (17.6)

ND

Numata et al

63 /79

12

2

89.9/89.9

3 (4.8)

11 (17.5)2

2 (3.2)

Yoshioka et al

144/ 144

19

7

95.8/86.1

3

6 (4.2)

8 (5.6)

0 (0)

HR: ヘパリン置換; ND: Not described
1 腹膜透析患者 2 名を含む

2 血液透析患者で 33.3%(5/15)、非透析患者で 9.4%(6/64)(P < 0.05)

3 晩期出血を CKD stage3 で 1.1%(1/92)、stage4 で 13.0%(3/23)、stage5 で 13.8%(4/29)に認め、うち 5
名に輸血療法を施行

表2

肝硬変患者に対する ESD(参考文献より抜粋、一部改変)

Ogura et al

Patients, n/

Chiud-pugh

完全一括切

病変, n

(A/B/C),n

除(R0), %

15/18

9/6/0

88.9/77.8

消化管穿孔

出血

死亡, n

0 (0)

3 (20)

0 (0)

ND,
Kwon et al

18/22

13/3/2

90.9/86.4

1 (5.6)

approx.9

ND

(50)
Choi et al

23/ 23

20/3/0

86.2/82.6

18

0 (4.2)

1 (4.3)

ND