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最終とりまとめ (46 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41063.html
出典情報 ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム 最終とりまとめの公表について(6/27)《厚生労働省》
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力的に見えにくい側面が認められる。国内企業と海外企業それぞれ
の売上高上位5社が、2018年から2022年において医療機器スタートア
ップを買収した計149件のM&Aの内、日本の医療機器スタートアップ
が対象となったのはわずか2件(2件とも国内大手企業による買収)で
あった3。その理由として、大手医療機器メーカーにとって、最大の
市場である北米市場で競争力のある製品が主たる関心であるところ、
「北米市場を意識した新規性の高い製品開発や特許構築、品質管理
を行う体制を整えている日本の医療機器スタートアップは少ない」
との指摘もある。

イ. スタートアップ支援の基本戦略

医療機器は、製品ごとに、
「世界直行型アプローチ」が適しているか、
「段階的海外展開型アプローチ」が適しているかを見極める必要が
ある。
世界直行型アプローチが適しているものとしては、臨床現場からの
ニーズが切実な医療機器である。これは 2 種類ある。1 つ目は、既存
治療技術への医療満足度が著しく低い状態(アンメット・メディカ
ル・ニーズ)を打開する治療用医療機器である。2 つ目は、治療法が
あるにも関わらず、高い侵襲性等により従来診断が困難だった疾患
に対する診断用医療機器である。これらの医療機器は、ニーズに対す
る切実性が高いため、各国市場の医療現場環境の違い等に左右され
にくい。このため、医療機器で最大の市場を持つ米国での承認取得・
事業化を想定して進めるべきであり、そのために必要となる資金等
のリソースに対して、集中的に支援を行うことが望ましい。
(戦略 1:
世界直行型アプローチ)
一方、段階的海外展開型アプローチが適しているものは、ニーズへの
切実性よりも、医療現場との整合性や営業努力が導入判断において
重視される医療機器である。比較的人体へのリスクが低い SaMD はこ
の分類に含まれる。段階的に海外へ展開していくことも見据えなが
ら、まずは国内の医師・医療機関とのリレーションや日本の医療現場
に対する深い理解を活かし、国内で事業基盤を作っていくことが考
えられる。このため、海外展開を見据えた情報収集やリレーション作

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