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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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資料1-2-5
(診断基準等のアップデート案(見え消し))

59 拘束型心筋症

取扱注意

○ 概要
1.概要
2005 年に発表された特発性心筋症調査研究班による診断の手引きによると、拘束型心筋症の基本病態
は左心室拡張障害であり、(1)硬い左心室(stiff left ventricle)の存在、(2)左室拡大や肥大の欠如、(3)
正常または正常に近い左室収縮機能、(4)原因(基礎心疾患)不明の4項目が診断の必要十分条件とされ
ている。
2.原因
不明
3.症状
軽症の場合は無症状のことがあるが、病気が進行すると心不全、不整脈、塞栓症などがおこる。心不全
症状としては、多くの症例では、労作時呼吸困難が最初に自覚される。これは労作時の心拍数増加に伴い
拡張時間が短縮することで左室流入血流量が低下し、心拍出量が十分に増えないためである。息切れや
呼吸困難、手足や顔の浮腫が現れる。さらに、重症になると、起座呼吸や全身倦怠感、黄疸、胸水、腹水な
どもみられる。種々の不整脈や、頻脈による胸部不快感及び動悸を感じることがよくある。また、心内腔血
栓による末梢の塞栓症をきたすことがあり、合併症として脳梗塞、腎梗塞、肺梗塞などが起こる。
4.治療法
拘束型心筋症は収縮性心膜炎と臨床像がまぎらわしいことがあるが治療法が異なるので専門医による
鑑別診断が重要である。拘束型心筋症に特異的な治療はない。対症療法として、心不全、不整脈および血
栓・塞栓症の治療が大切である。
a. 心不全の治療
主症状は心不全に伴ううっ血症状であり、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者の治療法に準
じて行われる。治療薬の主流は利尿薬である。
b. 不整脈の治療
不整脈とくに心房細動がしばしばみられる。この心房細動の出現によって、急激に症状が悪化すること
があるので、抗不整脈薬を使って治療する。また、心房細動に伴い頻脈となった場合は、拡張時間短縮
によりさらに病状を悪化させるため、ジギタリス製剤、カルシウム拮抗薬、β遮断薬などを用いて心拍数コ
ントロールが試みられる。薬だけでうまく治療できない場合には、心臓カテーテルによる房室結節焼灼術
と恒久的ペースメーカー植え込み術の併用を行うことがある。
c. 血栓・塞栓症の予防
脳梗塞や心房細動があり、心臓のなかに血栓の形成が疑われる患者には、 塞栓症の予防のために長
期にわたるワルファリン、FXa 阻害薬や直接トロンビン阻害薬などの非ビタミン K 阻害薬経口抗凝固療法
が必要である。

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