資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (49 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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Definite を対象とする。
1.主要項目
(1)主症状
脱水の所見(口腔粘膜の乾燥や皮膚ツルゴールの低下など)を認めない。
(2)検査所見
①低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は 135mEq/L135 mEq/l を下回る。
②血漿バゾプレシン値:血清ナトリウムが 135mEq/L 未満で、血漿バゾプレシン値が測定感度以上であ
る。
③低浸透圧血症:血漿浸透圧は 280mOsm280 mOsm/kg を下回る。
④高張尿:③低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度が抑制されてい
ない。
④尿浸透圧は 300mOsm100 mOsm/kg を上回る。
⑤ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は 20mEq/L20 mEq/l 以上である。
⑥腎機能正常:血清クレアチニンは 1.2mg/dL 以下である。
⑦副腎皮質機能正常:早朝空腹時の血清コルチゾールは6µg/dL 以上である。
2.参考事項
(1)倦怠感、食欲低下、意識障害などの低ナトリウム血症の症状を呈することがある。
(2)血漿レニン活性は55 ng/mLml/h 以下であることが多い。
(23)血清尿酸値は5mg/dL5 mg/dl 以下であることが多い。
(34)水分摂取を制限すると脱水が進行することなく低ナトリウム血症が改善する。
3.鑑別診断
低ナトリウム血症を来す次のものを除外する。
(1)細胞外液量の過剰な低ナトリウム血症:心不全、肝硬変の腹水貯留時、ネフローゼ症候群
(2)ナトリウム漏出が著明な細胞外液量の減少する低ナトリウム血症:腎性ナトリウム原発性副腎皮質機能
低下症、塩類喪失性腎症、中枢性塩類喪失症候群、下痢、嘔吐、利尿剤の使用
(3)細胞外液量のほぼ正常な低ナトリウム血症:続発性副腎皮質機能低下症(下垂体前葉機能低下症)
(4)異所性 ADH 分泌バソプレシン産生腫瘍
4.診断のカテゴリー
Definite:1の(1)を満たし、かつ1の(2)①から⑦の全ての項目を満たす満たし、3の鑑別疾患を除外したも
の。
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