資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (61 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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①は必須で、さらに②~④のいずれか
①、②を満たす場合、ACTH 依存性クッシング症候群を考えがより確からしいと考える。次に、異所性
ACTH 症候群との鑑別を目的に確定診断検査を行う。
(4)確定診断検査
①CRH 試験:ヒト CRH(100 µg)静注後の血中 ACTH 頂値が前値の 1.5 倍以上に増加する(注 6)。
②一晩大量デキサメタゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg8 mg)のデキサメタゾンを内服した翌朝(88
~10 時)の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制される(注 7)。
③画像検査:MRI 検査によりよる下垂体腫瘍の存在を証明する(注 8)。
④(選択的選択的下錐体静脈洞血サンプリング:(海綿静脈洞または下錐体静脈洞):本検査において
(注 9):血中 ACTH 値の中枢・末梢比(C/P 比)が22 以上(CRH 刺激後は33 以上)ならクッシング
病、2未満(CRH 刺激後は3未満)なら異所性 ACTH 産生腫瘍の可能性が高い(注 10)。
2.診断基準のカテゴリー
Definite 1:(1)の①の 1 項目以上を満たし、(1)の②の 1 項目以上を満たし、(2)の全てを満たし、(3)及
びの全てを満たし、(4)の①、②、③、④の全てを満たすもの。
Probable:(1)Definite 2:(1)の①の 1 項目以上を満たし、(1)の②の 1 項目以上を満たし、(2)の全てを
満たし、(3)及びの全てを満たし、(4)の①、②、③④の全てを満たすもの。
Possible:(1)の①、②の中から 1 項目以上を満たし、(2)の全てを満たし、(3)の全てを満たすもの。
(注 1)サブクリニカルクッシング病では、これら特徴所見を欠く。下垂体偶発腫瘍として発見されることが多
い。
(注 2)採血は早朝(8〜10 時)に、約 30 分間の安静の後に行う。ACTH が抑制されていないことが副腎性
クッシング症候群との鑑別において重要である。コルチゾール値に関しては、約 10%の測定誤差を
考慮して判断する。コルチゾール結合グロブリン(CBG)欠損(低下)症の患者では、血中コルチゾー
ルが比較的低値になるので注意を要する。
(注 3)原則として 24 時間蓄尿した尿検体で測定する。施設基準に従うが、一般に 70 µg/日以上で高値と
考えられる。ほとんどの顕性クッシング病では 100 µg/日以上となる。
(注 4)一晩少量デキサメタゾン抑制試験では従来 1~2 mg のデキサメタゾンが用いられていたが、一部の
クッシング病患者においてコルチゾールの抑制(偽陰性)を認めることから、スクリーニング検査とし
ての感度を上げる目的で、0.5 mg の少量が採用されている。血中コルチゾール 3 µg/dl 以上でサブ
クリニカルクッシング病を、5 µg/dl 以上でクッシング病を疑う。血中コルチゾールが充分抑制された
場合は、ACTH・コルチゾール系の機能亢進はないと判断できる。服用している薬物、特に CYP3A4
を誘導するものは、デキサメタゾンの代謝を促進するため偽陽性となりやすい(例:抗菌剤リファンピ
シン、抗てんかん薬カルバマゼピン・フェニトイン、血糖降下薬ピオグリタゾンなど)。米国内分泌学会
ガイドラインでは 1 mg デキサメタゾン法が用いられ、血中コルチゾールカットオフ値は 1.8 µg/dl とな
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