資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (39 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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症状があり圧潰の進行が予想されるときは、速やかに手術適応を決定する。若年者においては関節
温存手術が第一選択となるが、壊死範囲の大きい場合や骨頭圧潰が進んだ症例では、人工関節置換
術が必要となることもある。
5.予後
壊死領域の大きさと位置により、大腿骨頭の圧潰が将来発生するかどうかはほぼ予測できる。ごく小範
囲の壊死であれば自然修復する場合があることが報告されている。壊死領域が小さく、非荷重部に存在す
る場合は、無症状で経過できる可能性が高い。壊死領域が比較的大きくても、関節温存手術のよい適応と
なる範囲であれば、術後は良好な予後も期待できるが、変形性関節症への進展の有無につき継続的な診
療が必要となる。関節温存手術を行う際には、手術時機を逸しないことが重要である。荷重部に広範な壊
死が存在している場合には、骨頭温存手術は困難であるが、骨頭圧潰が著明で疼痛のため QOL が低下し
た場合は人工関節置換術を行うことによって良好な予後も期待できるが、術後の脱臼やゆるみの有無のチ
ェックが継続的に必要であり、10~20 年程度の経過で、人工関節再置換術が必要となることもある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 年度医療受給者証保持者数)
15,388 人
2.発病の機構
不明
3.効果的な治療方法
未確立
4.長期の療養
必要(徐々に大腿骨の圧壊が進行する。)
5.診断基準
あり
6.重症度分類
以下のいずれかを対象とする
病型分類を用いて、TypeB、TypeCType B、Type C又は病期分類 Stage 2以上を対象とする。
日本整形外科学会股関節機能判定基準を用いて、患側について「70 点以上 80 点未満:可」、
「70 点未満:不可」を対象とする。
○ 情報提供元
骨・関節系疾患調査研究班(特発性大腿骨頭壊死症)
「特発性大腿骨頭壊死症の疫学調査・診断基準・重症度分類の改訂と診療ガイドライン策定を目指した医療
水準及び患者 QOL 向上に資する大規模多施設研究」
研究代表者 大阪大学医学系研究科運動器医工学治療学寄附講座 教授 菅野伸彦
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