よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

60

再生不良性貧血

○ 概要

1.概要
再生不良性貧血は、末梢血で汎血球減少症があり、骨髄が低形成を示す疾患である。血球
減少は必ずしも全ての血球というわけではなく、軽症例では貧血と血小板減少だけで白血球数は
正常ということもある。診断のためには、他の疾患による汎血球減少症を除外する必要がある。
特に診断が紛らわしい疾患は、骨髄異形成症候群の不応性貧血(FAB 分類)である(MDS)の不
応性貧血(FAB 分類)である。骨髄不全が免疫学的機序によって起こっていることを示す発作性
夜間ヘモグロビン尿症形質の血球(PNH タイプ血球)や HLA クラス I アレル欠失血球が検出され
る場合には再生不良性貧血と積極的に診断することができる。
2.原因
造血幹細胞が減少する機序として、免疫学的機序による造血幹細胞の傷害と造血幹細胞自
身の質的異常の二つが重要と考えられている。後天性再生不良性貧血の大部分は造血幹細胞
を選択的に傷害する T リンパ球と、それに伴って産生される造血抑制性サイトカインによって発症
する。昨今、様々な免疫学的機序 T リンパ球による造血幹細胞の傷害を示唆する様々な証拠が
得られつつあるが、骨髄不全 T リンパ球の原因標的となる自己抗原はまだ同定されていない。
3.症状
(1)貧血症状
顔色不良、息切れ、動悸、めまい、易疲労感、頭痛。
(2)出血傾向
血小板減少による出血症状。皮膚や粘膜の点状出血、鼻出血、歯肉出血、紫斑など。重症に
なると血尿、性器重症例では眼底出血、脳出血、消化管出血、性器出血もある。みられる。
(3)感染症状
重症例では、顆粒球減少に伴う感染によるよって発熱など。がみられる。
4.治療法
支持療法
患者の自覚症状に応じて、ヘモグロビンを7g/dLdl 程度以上に維持するように白血球除去赤
血球を輸血する。好中球数が 500/µLl 未満で感染症を併発している場合には 顆粒球コロニー
刺激因子(G-CSF) を投与する。 血小板数が5千/μl 前後ないしそれ以下に低下し、出血傾向
が著しい場合には重篤な出血を来す可能性があるので、出血傾向をみながら予防的な血小板輸

- 11-