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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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4.治療法
骨髄移植により異常クローンを排除し、正常クローンによって置き換えることが、現在のところ唯一の根治根
本治療法であるが、明確な適応基準はない。これまでは、血栓症、反復する溶血発作、重篤な汎血球減少症
を呈する重症例などに施行されてきた。したがって、血管内溶血、骨髄不全及び血栓症に対する対症療法が
主体となる。溶血発作に対しては、感染症等の発作の誘因を除去するとともに、必要に応じ副腎皮質ステロ
イドにより溶血をコントロールする。遊離血色素による腎障害を防止するため積極的に輸液による利尿をは
かりつつ、ハプトグロビンを投与する。慢性溶血に対しては、補体第5成分に対する抗体薬(エクリズマブ、ラ
ブリズマブ)が開発され、溶血に対する劇的な抑制効果が示されている。骨髄不全に対しては、再生不良性
貧血に準じた治療を行うが、軽度の骨髄不全を伴うことが多く、蛋白同化ホルモンが汎用される。溶血であれ
骨髄不全であれ貧血に対しては、必要があれば輸血を行うが、従来推奨されてきた洗浄赤血球輸血は必ず
しも必要ではない。血栓症の予防と治療にヘパリンやワーファリン製剤による抗血栓療法を行う。エクリズマ
ブやラブリズマブによる血栓予防効果も示されており、今後 PNH の治療戦略は大きく変わっていくものと思わ
れる。
5.予後
PNH は極めて緩徐に進行し、溶血発作を反復したり、溶血が持続したりする。骨髄低形成の進行による
汎血球減少と関連した出血(1/4)と感染(1/3)が主な死因となる。静脈血栓症もみられるが、欧米に比し
我が国では頻度が低い(10%以下)。まれに白血病への進展も知られる(3%)。発症/診断からの長期予
後は、平均生存期間が 32.1 年、50%生存が 25 年であった。PNH では自然寛解が起こり得るというのも特
徴の一つであるが、その頻度は、日米比較調査によると5%であった。エクリズマブやラブリズマブの登場
により、今後は予後が改善することが期待される。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(研究班による)
約 400844 人
2.発病の機構
不明(造血幹細胞の PIGA を含む GPI アンカー合成に関わる遺伝子変異が示唆されている。)
3.効果的な治療方法
未確立(骨髄移植以外に治療法がなく、対症療法にとどまる。)
4.長期の療養
必要(進行性、溶血と汎血球減少に関連した症状が出現。)
5.診断基準
あり(研究班による診断基準)
6.重症度分類
研究班による「溶血所見に基づいた重症度分類」を用い、中等症以上を対象とする。
○ 情報提供元

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