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参考資料3-2 令和3年度終了研究課題の成果の一覧 (24 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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No.
年度
研究課題名
研究事業名 研究代表者
専門的・学術的観点からの成果
臨床的観点からの成果
ガイドライン等の開発
その他行政的観点からの成果
その他のインパクト
開始 修了
指定難病と小児
慢性特定疾病に
関連した先天性
骨系統疾患の適
83
切な診断の実施
と医療水準およ
びQOLの向上を
めざした研究
HAMならびに類
縁疾患の患者レ
ジストリを介した
診療連携モデル
84 の構築によるガ
イドラインの活用
促進と医療水準
の均てん化に関
する研究
小児期・移行期
を含む包括的対
85 応を要する希少
難治性肝胆膵疾
患の調査研究
3
3
3
3
3
3
原著論文 その他の論 学会発表 特許(件 その他
(件数) 文等(件数) (件数)
数)
(件数)
和文 英文等
和文 英文等
国内 国際 出願 取得 施策への反映
普及・啓発活動
難治性疾
患政策研
究
(1) 研究成果
先天性骨系統疾患について遺
伝子変異、臨床症状、重症度など
の調査研究を行いそれらの関連
を明らかにした。
(2) 研究成果の学術的・国際的・
澤井 英明
社会的意義
本調査で実施したタナトフォリッ
ク骨異形成症の発達状況の報告
は英文誌に2回にわけて掲載され
た。まとまった症例の報告(20症
例)は初めてである。
(1) 研究成果
患者の病状調査で従来から骨系
統疾患(直近ではタナトフォリック
骨異形成症や大理石骨病)の患
者の病状調査・患者数調査を実
施して論文報告した。
(2) 研究成果の臨床的・国際的・
社会的意義
国際的な骨系統疾患国際分類
2019の日本語翻訳作業に当研究
班からの研究分担者が委員として
参加し、日本整形外科学会雑誌
から刊行された。
すでに小児慢性特定疾病に認定
されている2型コラーゲン異常症
関連疾患とカムラチ・エンゲルマ
低ホスファターゼ症と軟骨無形 ン症候群を指定難病に申請し、ま
成症の診療ガイドラインが小児内 たすでに指定難病に認定されて
分泌学会に参加している研究分 いる、タナトフォリック骨異形成症
担者により作成された。小児内分 を小児慢性特定疾病に申請した。
泌学会のホームページで公開さ 結果的にはこれらの疾患では指
れている。
定難病への認定は承認されな
かったが、タナトフォリック骨異形
成症の小児慢性特定疾病への承
認が認められた。
難病制度の適正な実施に協力・
連携している。
診断治療指針の普及活動、各医
療機関への診療支援:
すでに全国の地域で中核となる
医療機関に対して、骨系統疾患に
どの程度まで対応できるかを診療
科別に調査しリストアップしてあり
これの更新を行った。
骨系統疾患患者、家族からの問
い合わせ窓口として機能:全国の
骨系統疾患患者、家族からの問
い合わせに対応した。
5
50
0
難治性疾
患政策研
究
HAM患者レジストリを活用した疫
学解析により、HAM患者の生命予
後が悪いこと、死因としてATLが
多いことを証明し、ATLハイリスク
集団の同定方法を示した(Proc
Natl Acad Sci USA, 2020)。HAM
患者の排尿障害評価指標を用い
山野 嘉久 たQOLの解析では、HAM患者で
は排尿障害がQOL、特に精神的
健康度に大きく影響していること
が示された。また、HAM排尿障害
症状スコアの重症度判定基準を
確立し、その重症度判定が将来
の予後予測に有用であることを示
した。
本研究で開発した「診療の質評価
指標:代替QI」は、ガイドラインに
記載された診療行為のうち、診療
プロセスにおける重要項目を抽出
して作成し調査を行うため、調査
項目が診療上の重要性が高いこ
とを調査対象者に意識付けでき、
豊富なエビデンスを得にくい希少
難病の診療環境を改善させるユ
ニークな手法となった。本研究で
は、HAM診療ガイドラインの「普及
→導入→評価→改訂」といった
PDCAサイクルの実現により、
HAMならびに類縁疾患の医療水
準の向上と均てん化に成功した。
HAM患者レジストリ登録患者の
HAM発症年齢と発症年の関係で
は、2000年代以降は20歳代での
発症が減少し始め、2010年代で
は10、20歳代の発症は認められ
これまでに我々はHAM診療ガイド なかった。また、HAMの発症から
ライン2019を発行した。これ以降 診断までにかかった年数は、年代
に蓄積された新たなエビデンスに が進むにつれ有意に短縮されて
基づき、2024年度のガイドライン いることが明らかになり、これらの
の改訂を目指す。
結果は、1980年代から高侵淫地
域で開始された母子感染対策、
2009年のHAMの指定難病認定、
2010年に開始されたHTLV-1総合
対策の成果を強く示唆するものと
なった。
診療ガイドラインの英語版をアメリ
カ神経学会誌(Neurology Clinical
Practice, 2021)に掲載した。また
HTLV-1陽性者の臓器移植に関
するエビデンス(New Engl J Med,
2019)がアメリカ移植学会ガイドラ
イン2019にも大幅に引用され、世
界の医療レベル向上にも貢献で
きた。さらに患者に対しても診療
ガイドラインを普及させるため、診
療ガイドラインの内容を平易にし
た患者向け冊子を作成した。
4
94
難治性疾
患政策研
究
対象疾患に対して継続的に実施
されている調査研究による実態把
握と、「小児期発症の胆汁うっ滞
性肝疾患を対象とした多施設前
向きレジストリ研究」の本格運用
の開始は本研究班の学術的・社
会的成果である。また、我が国の
仁尾 正記 レジストリデータをベースとした包
括的な内容を含む英文書籍の発
刊およびガイドラインの英文化に
よる学術面での国際貢献や、研
究班の作業によるエビデンスの集
積が進行性家族性肝内胆汁うっ
滞症の難病指定に繋がったことな
ども重要な成果と言える。
継続的な実態把握および診療ガ
イドラインの作成 普及 改訂を通
じて、小児期発症の希少難治性
肝胆膵疾患の診療レベルの向上
に資する成果を得る事ができた。
また、構築された成人診療領域と
の連携体制および患者会との連
携による全国調査を通じて、希少
肝胆膵疾患の成人領域の実態を
把握することで、移行期医療の体
制整備に必要な状況把握がなさ
れるとともに、解決するべき課題
が明らかとなった。
・胆道閉鎖症・先天性胆道拡張
症:現行診療ガイドライン普及に向け
た論文化及び改訂作業、・進行性
家族性肝内胆汁うっ滞症:診療ガ
イドライン(案)を作成、・嚢胞性線維
症:「嚢胞性線維症の診療の手引
き改訂2版」を策定、「嚢胞性線維
症患者の栄養ケア」を発刊、・先天
性高インスリン血症:診療ガイドラインの
公表・公開:学会ホームページでの公
表、英文版を論文化し公表、
Minds ガイドラインライブラリに掲載、日
本小児内分泌学会ガイドライン集の
一部として収載し出版、解説論文
を邦文誌に公開
●嚢胞性線維症:家族会や主治
医を含む医療関係者との情報交
換会実施
●胆道閉鎖症:第47回日本胆道
閉鎖症研究会において家族会と
の共催シンポジウムを開催
16 142
24
●指定難病の疾病追加の作業に
あたり、疾患についての検討資料
を以下の疾患について作成し、厚
生労働省へ提出した。
●先天性胆道拡張症 ・進行性家
族性肝内胆汁うっ滞症
●胆道閉鎖症 遺伝性膵炎 嚢胞
性線維症:難病対策課より指示の
あった重症度分類の改定作業を
実施
20
40
10
0
0
2
0
48
3 135
32
0
0
3
16
78
5 110
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年度
研究課題名
研究事業名 研究代表者
専門的・学術的観点からの成果
臨床的観点からの成果
ガイドライン等の開発
その他行政的観点からの成果
その他のインパクト
開始 修了
指定難病と小児
慢性特定疾病に
関連した先天性
骨系統疾患の適
83
切な診断の実施
と医療水準およ
びQOLの向上を
めざした研究
HAMならびに類
縁疾患の患者レ
ジストリを介した
診療連携モデル
84 の構築によるガ
イドラインの活用
促進と医療水準
の均てん化に関
する研究
小児期・移行期
を含む包括的対
85 応を要する希少
難治性肝胆膵疾
患の調査研究
3
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原著論文 その他の論 学会発表 特許(件 その他
(件数) 文等(件数) (件数)
数)
(件数)
和文 英文等
和文 英文等
国内 国際 出願 取得 施策への反映
普及・啓発活動
難治性疾
患政策研
究
(1) 研究成果
先天性骨系統疾患について遺
伝子変異、臨床症状、重症度など
の調査研究を行いそれらの関連
を明らかにした。
(2) 研究成果の学術的・国際的・
澤井 英明
社会的意義
本調査で実施したタナトフォリッ
ク骨異形成症の発達状況の報告
は英文誌に2回にわけて掲載され
た。まとまった症例の報告(20症
例)は初めてである。
(1) 研究成果
患者の病状調査で従来から骨系
統疾患(直近ではタナトフォリック
骨異形成症や大理石骨病)の患
者の病状調査・患者数調査を実
施して論文報告した。
(2) 研究成果の臨床的・国際的・
社会的意義
国際的な骨系統疾患国際分類
2019の日本語翻訳作業に当研究
班からの研究分担者が委員として
参加し、日本整形外科学会雑誌
から刊行された。
すでに小児慢性特定疾病に認定
されている2型コラーゲン異常症
関連疾患とカムラチ・エンゲルマ
低ホスファターゼ症と軟骨無形 ン症候群を指定難病に申請し、ま
成症の診療ガイドラインが小児内 たすでに指定難病に認定されて
分泌学会に参加している研究分 いる、タナトフォリック骨異形成症
担者により作成された。小児内分 を小児慢性特定疾病に申請した。
泌学会のホームページで公開さ 結果的にはこれらの疾患では指
れている。
定難病への認定は承認されな
かったが、タナトフォリック骨異形
成症の小児慢性特定疾病への承
認が認められた。
難病制度の適正な実施に協力・
連携している。
診断治療指針の普及活動、各医
療機関への診療支援:
すでに全国の地域で中核となる
医療機関に対して、骨系統疾患に
どの程度まで対応できるかを診療
科別に調査しリストアップしてあり
これの更新を行った。
骨系統疾患患者、家族からの問
い合わせ窓口として機能:全国の
骨系統疾患患者、家族からの問
い合わせに対応した。
5
50
0
難治性疾
患政策研
究
HAM患者レジストリを活用した疫
学解析により、HAM患者の生命予
後が悪いこと、死因としてATLが
多いことを証明し、ATLハイリスク
集団の同定方法を示した(Proc
Natl Acad Sci USA, 2020)。HAM
患者の排尿障害評価指標を用い
山野 嘉久 たQOLの解析では、HAM患者で
は排尿障害がQOL、特に精神的
健康度に大きく影響していること
が示された。また、HAM排尿障害
症状スコアの重症度判定基準を
確立し、その重症度判定が将来
の予後予測に有用であることを示
した。
本研究で開発した「診療の質評価
指標:代替QI」は、ガイドラインに
記載された診療行為のうち、診療
プロセスにおける重要項目を抽出
して作成し調査を行うため、調査
項目が診療上の重要性が高いこ
とを調査対象者に意識付けでき、
豊富なエビデンスを得にくい希少
難病の診療環境を改善させるユ
ニークな手法となった。本研究で
は、HAM診療ガイドラインの「普及
→導入→評価→改訂」といった
PDCAサイクルの実現により、
HAMならびに類縁疾患の医療水
準の向上と均てん化に成功した。
HAM患者レジストリ登録患者の
HAM発症年齢と発症年の関係で
は、2000年代以降は20歳代での
発症が減少し始め、2010年代で
は10、20歳代の発症は認められ
これまでに我々はHAM診療ガイド なかった。また、HAMの発症から
ライン2019を発行した。これ以降 診断までにかかった年数は、年代
に蓄積された新たなエビデンスに が進むにつれ有意に短縮されて
基づき、2024年度のガイドライン いることが明らかになり、これらの
の改訂を目指す。
結果は、1980年代から高侵淫地
域で開始された母子感染対策、
2009年のHAMの指定難病認定、
2010年に開始されたHTLV-1総合
対策の成果を強く示唆するものと
なった。
診療ガイドラインの英語版をアメリ
カ神経学会誌(Neurology Clinical
Practice, 2021)に掲載した。また
HTLV-1陽性者の臓器移植に関
するエビデンス(New Engl J Med,
2019)がアメリカ移植学会ガイドラ
イン2019にも大幅に引用され、世
界の医療レベル向上にも貢献で
きた。さらに患者に対しても診療
ガイドラインを普及させるため、診
療ガイドラインの内容を平易にし
た患者向け冊子を作成した。
4
94
難治性疾
患政策研
究
対象疾患に対して継続的に実施
されている調査研究による実態把
握と、「小児期発症の胆汁うっ滞
性肝疾患を対象とした多施設前
向きレジストリ研究」の本格運用
の開始は本研究班の学術的・社
会的成果である。また、我が国の
仁尾 正記 レジストリデータをベースとした包
括的な内容を含む英文書籍の発
刊およびガイドラインの英文化に
よる学術面での国際貢献や、研
究班の作業によるエビデンスの集
積が進行性家族性肝内胆汁うっ
滞症の難病指定に繋がったことな
ども重要な成果と言える。
継続的な実態把握および診療ガ
イドラインの作成 普及 改訂を通
じて、小児期発症の希少難治性
肝胆膵疾患の診療レベルの向上
に資する成果を得る事ができた。
また、構築された成人診療領域と
の連携体制および患者会との連
携による全国調査を通じて、希少
肝胆膵疾患の成人領域の実態を
把握することで、移行期医療の体
制整備に必要な状況把握がなさ
れるとともに、解決するべき課題
が明らかとなった。
・胆道閉鎖症・先天性胆道拡張
症:現行診療ガイドライン普及に向け
た論文化及び改訂作業、・進行性
家族性肝内胆汁うっ滞症:診療ガ
イドライン(案)を作成、・嚢胞性線維
症:「嚢胞性線維症の診療の手引
き改訂2版」を策定、「嚢胞性線維
症患者の栄養ケア」を発刊、・先天
性高インスリン血症:診療ガイドラインの
公表・公開:学会ホームページでの公
表、英文版を論文化し公表、
Minds ガイドラインライブラリに掲載、日
本小児内分泌学会ガイドライン集の
一部として収載し出版、解説論文
を邦文誌に公開
●嚢胞性線維症:家族会や主治
医を含む医療関係者との情報交
換会実施
●胆道閉鎖症:第47回日本胆道
閉鎖症研究会において家族会と
の共催シンポジウムを開催
16 142
24
●指定難病の疾病追加の作業に
あたり、疾患についての検討資料
を以下の疾患について作成し、厚
生労働省へ提出した。
●先天性胆道拡張症 ・進行性家
族性肝内胆汁うっ滞症
●胆道閉鎖症 遺伝性膵炎 嚢胞
性線維症:難病対策課より指示の
あった重症度分類の改定作業を
実施
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