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参考資料3-2 令和3年度終了研究課題の成果の一覧 (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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No.

年度

研究課題名

研究事業名 研究代表者

専門的・学術的観点からの成果

臨床的観点からの成果

ガイドライン等の開発

難治性疾
患政策研


全国調査及び文献的考察より、
MECP2重複症候群の診断基準を
確定し、日本小児神経学会の承
認を得た。また、この成果を英文
学術誌に掲載し、世界に先駆けて
伊藤 雅之 早期診断のためのポイントを提示
し臨床診断に用いられている。
FOXG1症候群とCDKL5症候群の
患者数(推定値)を明らかにし、診
断基準案を作成した。また、遺伝
子診断体制を確立した。

MECP2重複症候群の診断基準を
確定し、早期診断のための臨床
的特徴を明らかにした。遺伝子診
断の進め方を論文で公表し、保険
適応の準備を進めた。FOXG1症
候群とCDKL5症候群の早期診
断、遺伝子検査のための手順を
明らかにした。これらの臨床現場
での利用により、患者の早期発見
と治療・療育を進めることが期待
される。

MECP2重複症候
群及びFOXG1症
90 候群、CDKL5症
候群の臨床調査
研究

91

Schaaf-Yang症
候群の診断基準
策定と疫学に関
する研究

慢性活動性EBV
感染症と類縁疾
患の疾患レジス
92
トリ情報に基づ
いた診療ガイドラ
イン改定

特発性好酸球増
加症候群の診療
93 ガイドライン作成
に向けた疫学研


3

3

3

3

3

難治性疾
患政策研


Schaaf-Yang症候群(SYS)の我が
国における疫学調査が行われた
ことで、SYSの人種による症状の
違いが明らかになった。特に、日
齋藤 伸治 本人では急性脳症様エピソードが
17%にみられ、重要な合併症であ
るが、国外での報告はない。日本
人SYS患者の特徴を明らかにする
ことができた。

3

3

3

原著論文 その他の論 学会発表 特許(件 その他
(件数) 文等(件数) (件数)
数)
(件数)
和文 英文等
和文 英文等
国内 国際 出願 取得 施策への反映
普及・啓発活動

その他行政的観点からの成果

その他のインパクト

MECP2重複症候群及びFOXG1症
候群、CDKL5症候群について、ガ
イドラインに必要な診断基準の策
定を行った。MECP2重複症候群
の診断基準は日本小児神経学会
の承認を得た。国際的な学術誌
に掲載し、世界的な評価を得た。
FOXG1症候群とCDKL5症候群の
診断基準を策定中である。また、
患者数と有病率を明らかにした。
本研究の成果はガイドラインの作
成に反映されることが期待され
る。

MECP2重複症候群及びFOXG1症
候群、CDKL5症候群の調査研究
対象疾患の患者数、早期診断の
ための症候、遺伝子診断の手順
などを明らかにした。これらの成
果は、今後の遺伝子検査の保険
適応の資料として活用されること
が期待される。

MECP2重複症候群及びFOXG1症
候群、CDKL5症候群の各家族会
は設立が浅く、規模が小さいた
め、情報交換や交流会を頻回に
行った。患者家族会向けに講習
会や患者相談会などをオンライン
で各年度3回開催した。令和3年
度には、MECP2重複症候群家族
会設立5周年記念シンポジウムを
行った(オンライン)。いずれも、反
響が大きく継続して開催する予定
である。

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我が国で初めてSYSの診断基準
を策定したことの意義は大きい。
また、全国からの依頼に対応でき
るSYS診断システムの構築ができ
た。診断基準の作成と遺伝学的
診断システムの構築により、我が
国でのSYSの診断の基盤ができ
た。全国調査の結果はSYS患者
の管理に重要な情報となった。

我が国で初めてSYSの診断基準
を策定した。また、遺伝学的診断
システムを構築した。これらにより
日本人SYS患者の診断が可能に
なった。全国疫学調査により29名
の患者を同定し、患者データベー
スを作成した。今後患者レジスト
リーとして継続し、自然歴調査を
行い、診療ガイドラインの作成を
予定している。

希少疾患であるSYSは今回の調
査により生活全般にわたる介護
度が極めて高いことが明らかに
なった。しかし、新しい疾患である
ため、小児慢性疾患や指定難病
として認められていず、十分な支
援が得られていない。診断基準策
定、遺伝学的診断法の構築、全
国疫学調査により、行政的課題が
明らかになった。

SYS疾患啓発リーフレットを二種
類作成し、全国の小児科を有する
病院に配布した。さらに、疾患啓
発ホームページを作成・公開し
た。これらの啓発活動により全国
の小児科医師にSYSの啓発を行
うとともに、遺伝学的診断へのア
クセスが可能になった。また、疾
患啓発ホームページを通して患者
家族が正しい情報を得ることが可
能になった。

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1

確立した中央診断体制を維持し、
慢性活動性EBV感染症、EBV関
2年間で、慢性活動性EBV感染症
連血球貪食性リンパ組織球症、
を28例、EBウイルス関連血球貪
種痘様水疱症、蚊刺過敏症は、
食性リンパ組織球症患者を20例、
我が国の小児・若年成人に特有
種痘様水疱症患者を2例、蚊刺過
な希少難治性疾患である。本研
敏症患者を2例、併せて52例を新
究班では これら 4疾患に対する
規に診断した。また疾患レジストリ
疾患レジストリとバイオバンクを立
を運用し、2年間で慢性活動性
ち上げ、次期ガイドライン改訂の
EBV病を28例、EBウイルス関連血
ための診療情報を集積するととも
球貪食性リンパ組織球症を33例、
に、病態研究や体外診断薬 /新
種痘様水疱症リンパ増殖異常症
規治療薬開発の医師主導治験の
を1例、重症蚊刺アレルギーを7
受け皿となる体制を確立した。
例、計69例を新たに登録した。

2か年計画の1年目2020年度は、
2016年以降の新知見や診療を取
り巻く環境の変化に呼応し、診療
ガイドライン改定方針・スケジュー
ルについて決定し、組織づくりを
行った。最終年度にあたる2021年
度は、診断基準・クリニカルクエス
チョン (CQ) の見直しに加え、種
痘様水疱症、蚊刺過敏症の診断
基準作成に従事した。また、「慢
性活動性EBV感染症、種痘様水
疱症、蚊刺過敏症」の病名表記
を、それぞれ「慢性活動性EBV
病、種痘様水疱症リンパ増殖異
常症、重症蚊刺アレルギー」に変
更した。

2018年度採択された希少難治性
疾患に対する「画期的な医薬品医
療機器等の実用化に関する研
究」 新井班と連携し、「慢性活動
性EBV感染症を対象とした
JAK1/2阻害剤ルキソリチニブの
医師主導治験」の研究母体を提
供している。

CAEBV患者会SHAKEとのオンラ
イン交流会を開催し、慢性活動性
EBV病の診断・治療についての講
演を行うとともに、ガイドライン改
定の進捗状況について説明した。
併せて、病名・診断基準の変更に
ついても理解を得た。

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3

令和2年度に行われた班員会議
においては全国疫学調査の結果
について議論が行われた。令和3
年度に行われた班員会議におい
ては、診断基準、ガイドライン策定
に向けた二次調査票の内容につ
いてさらに議論を深めた。現在二
次調査が進行中であるが、ある程
度の症例が蓄積された段階で二
次調査の結果をまとめ、本邦にお
けるHESの診断、治療、フォロー
アップに関する診療指針の策定を
目指す。

現時点ではHESに関する一元的
な症例登録システムなどは存在
せず、疾患の自然史など予後予
測の根拠となる臨床データは皆無
で、不十分な治療や過剰な治療
による再発・死亡や患者の苦痛を
招く可能性がある。当調査研究に
よる一元的な症例登録により、本
邦におけるHESの実態把握と最
適な治療戦略の確定がはかれ
る。

HESの病態解明、診断法の開発、
至適な治療法の開発は世界的に
も未解決の課題であると言える。
今回の全国疫学調査で収集した
症例数は世界でも有数であるが、
本研究の二次調査の後に策定さ
れる診断基準や診療ガイドライン
は本邦のみならず世界的にも高
い評価を受ける可能性が高い。今
後は一定の症例が蓄積された段
階で学会発表、論文発表などを積
極的に行っていきガイドライン策
定につなげる。

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開始 修了

難治性疾
患政策研


木村 宏

難治性疾
患政策研


特発性好酸球増多症候群
(Hypereosionophilic syndrome,
HES)は末梢血における慢性的な
好酸球増加および好酸球浸潤に
よる臓器障害を特徴とする症候群
であるが、希少疾患でありその臨
床像、分子生物学的な病態は未
解明である。本研究では全国疫
黒川 峰夫
学調査により152例のHES疑い症
例を同定し、性差、年齢分布、地
域別の患者数などを明らかにし
た。さらに二次調査により正確な
患者背景、基礎データ、HESによ
る臓器障害の部位、治療法や奏
効率、再燃率,予後因子について
明らかにすることができた。

HESは希少疾患であり十分に認
知されておらず、診断基準や治療
指針についても十分明らかには
なっていなかった。本研究により、
疾患の認知度が上昇するととも
に、性差、年齢分布、地域別の患
者数などの基本的な疫学データ
が国内で初めてまとめられた。ま
た正確な患者背景、基礎データ、
HESによる臓器障害の部位、治療
法や奏効率、再燃率の詳細、予
後因子について明らかにすること
ができた。今回の調査結果および
二次調査の結果をもとに診断基
準や治療指針の策定につなげ
る。

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