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参考資料3-2 令和3年度終了研究課題の成果の一覧 (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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No.

年度

研究課題名

研究事業名 研究代表者

専門的・学術的観点からの成果

臨床的観点からの成果

ガイドライン等の開発

その他行政的観点からの成果

その他のインパクト

開始 修了

細菌の薬剤耐性
機構解析に基づ
いた多職種連携
140 による効率的・効
果的な院内耐性
菌制御の確立の
ための研究

141

成人の侵襲性細
菌感染症サーベ
イランスの充実
化に資する研究

わが国の狂犬病
142 予防体制の推進
のための研究

3

3

3

3

高齢者施設利用者の間で高率
に薬剤耐性菌保菌が拡がってお
り,一部の菌種では生存期間の
短縮と関連があった.分子疫学解
新興・再興
析から地域での拡がりが示唆さ
感染症及
れ,薬剤耐性菌対策の対象として
び予防接 大毛 宏喜 重要である事を証明し得た.また
種政策推
抗菌薬適正使用の対象である経
進研究
口抗菌薬の二次医療圏毎の使用
状況把握,モニタリング手法開
発,検査適正化ガイド作成を通じ
て,今後の適正使用手引き作成
の基礎研究を行った.

高齢者施設での感染対策は専
門家が不在で財源も乏しいが故
に,効率の良い方策が求められ
る.胃瘻などの薬剤耐性菌保菌リ
スクを明らかにしたことで,ポイン
トを絞った対策の立案が可能にな
る.抗菌薬適正使用においては,
経口薬のみならず,外用抗菌薬
の過剰使用も明らかになり,対象
とすべき薬剤が明らかになった.
また抗菌薬適正使用の教育を受
けた保険薬局の薬剤師の重要性
が示唆される結果であり,従来介
入が困難であった処方医へのア
プローチの端緒となり得る.

3

65歳以上に対する23価肺炎球菌
莢膜ポリサッカライド(PPSV23)接
種のBroom’s 法によるIPDに対す
る予防効果を発表し、この成果が
Emerg Infect Dis(2020年)に掲載
新興・再興
された。2013年の小児13価結合
感染症及
型肺炎球菌ワクチン導入による成
び予防接 大石 和徳 人への間接効果が明らかになっ
種政策推
たのに対し、2014年の高齢者の
進研究
PPSV23による定期接種導入の
IPD血清型分布への直接的な効
果は認められなかったことを報告
した。これらの成果はVaccine誌
(2022年)に掲載された、国内外か
ら反響があった。

成人の侵襲性肺炎球菌感染症
(IPD)の経年的な解析から、2018
〜2019年の成人IPDの死亡リスク
は、2013〜2015年と比較して有意
に低下した、成人の肺炎球菌性
髄膜炎は非髄膜炎に比べて、年
齢と致命率が有意に低く、機能
的・解剖学的無脾症、血清型10A
および23Aは髄膜炎の発症リスク
が有意に高いことを報告した。肺
炎球菌血清型3の莢膜遺伝子とヒ
アルロニダーゼ遺伝子が
Streptococcus oralisのゲノムへ
組換えを起こした侵襲性感染症2
例を報告した。

3

狂犬病の国内発生があり、遺伝
子解析により感染地を推定した。
国内の飼育犬の90%が狂犬病に
対して抗体を保有していた。狂犬
病ワクチンでは一部のリッサウイ
ルスには効果がないことが再確
認された。

狂犬病患者発生の対応を行った。
検査においてはリアルタイムPCR
の重要性とともに、通常のRTPCRの重要性が再確認された。
患者に関わった関係者へのリスク
アセスメントの必要性が明らかと
なった。狂犬病の曝露後ワクチン
接種者が想像以上に多く、狂犬病
に対する情報提供の必要性が明
らかとなった。

新興・再興
感染症及
び予防接 前田 健
種政策推
進研究

高齢者施設に対して,感染対策
の人材や財源を投入する意味が
あるのかは,これまで基礎データ
がなく不明であった.本研究に
抗菌薬適正使用の前提となる微
よって高齢者施設での薬剤耐性
生物検査について,WHOの提唱
菌伝播が地域レベルに影響しうる
するdiagnostic stewardship(DS)
こと,施設利用者の生存期間に関
の概念を活用し,検査前・検査・
連する事が明らかになり,施策立
検査後の各ポイントにおける
案の根拠を示す事が出来た.また
チェックリストからなる「DSガイド」
抗菌薬適正使用では経口抗菌薬
を作成し,日本臨床微生物学会
の乱用抑制に従来苦慮してきた
誌に投稿した.診療所や外部委
が,正確な実態把握が困難であっ
託検査機関でも活用可能な簡易
た.データベースの詳細な分析で
なガイドとなっている.
処方実態が把握できる事がわか
り,今後の抗菌薬適正使用手引き
の作成や効果判定に有効な情報
を提示できた.
以下のガイダンスを発出し、肺炎
球菌ワクチンの接種啓発を行っ
た。
1)65歳以上の成人に対する肺炎
球菌ワクチン接種に関する考え方
(第3版 2019−10−30)
日本呼吸器学会呼吸器ワクチン
検討 WG 委員会/日本感染症学
会ワクチン委員会・合同委員会
(大石和徳 、他)(2019年10月30
日)
2)「6歳から64歳までのハイリスク
者に対する肺炎球菌ワクチン接
種の考え方」日本呼吸器学会呼
吸器ワクチン検討 WG 委員会/日
本感染症学会ワクチン委員会・合

狂犬病の登録を抹消しない場合
が多いが、25歳を上限に抹消して
いいことを提言した。「医療現場に
おける狂犬病曝露のリスクアセス
メント」の作成を開始した。

42

2013〜2019年の成人IPD症例の
血清型罹患率を解析し、成人領
域では血清型置換は起こってい
ないことを確認した。また、高齢者
の次世代肺炎球菌ワクチン
(PCV15, PCV20)の導入に向けて
ワクチン効果の推定の基礎資料
を提供できた(Tamura K, et
al.Vaccine.40:3338-44,2022)。
COVID−19の国内流行の影響に
より2020〜2021年にはIPD, IHD,
IMD、STSSの届出数は大きく減少
したが、サーベイランスを中断す
ることなく継続できた。

原著論文 その他の論 学会発表 特許(件 その他
(件数) 文等(件数) (件数)
数)
(件数)
和文 英文等
和文 英文等
国内 国際 出願 取得 施策への反映
普及・啓発活動

本研究成果を元に,次年度から
の継続研究班において,高齢者
施設における薬剤耐性菌感染対
策マニュアルや,抗菌薬適正使用
の手引きの作成につなげることが
可能となった.これらの成果物が
完成すれば,次期薬剤耐性
(AMR)アクションプランの数値目
標達成に寄与する事が期待でき
る.

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2021年12月2〜3日に長野県軽井
沢町で第3回アジア肺炎球菌シン
ポジウムを対面+オンラインのハ
イブリッド形式で開催した。日本、
中国、韓国をはじめ米国、スイス
等7カ国から臨床医、研究者、企
業関係者、約150名が参加し、各
国の小児成人のサーベイランス
の情報、次世代ワクチンの情報を
共有した。わが国からの多くの研
究成果を国内外にアピールするこ
とができた。

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18

狂犬病予防法施行規則における
コンテナ迷入動物が数件存在して
ストリキニーネの明文化を避ける
いる事実が明らかとなった。野生
べきと提言した。これまで国内で
動物の対策とともに迷入動物の
狂犬病のリスク評価は概ね問題
対策が求められる。
ないことを確認した。