参考資料5 がん検診事業のあり方について(案)(高橋参考人提出資料) (34 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23760.html |
出典情報 | がん検診のあり方に関する検討会(第34回 2/4)《厚生労働省》 |
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自信があり、必要性を感じない」、「心配な時はいつでも医療機関を受診できる」が上位に挙げられて
いる。これは国民の間で「がん検診」と「診療」が混同されている状況が示唆され、がん検診の意味に
ついて更なる情報提供が必要である(※1)。
※1 がん検診には不利益が存在するため、国民はがん検診の利益と不利益を理解したうえで、受診
の有無を意思決定することが望ましい。そのためには、検診提供者がこれらの知識を正しく理解
し、国民(検診対象者)に分かりやすく伝える必要がある。国は、検診提供者・検診対象者双方の
理解促進を支援する資材開発や、双方の理解度の確認方法等について検討する。
(2) 対象年齢層を設定した重点受診勧奨の実施
高齢者は若年者と比べ、がん検診の不利益が利益を上回る可能性がある。諸外国ではがん検診を
推奨する年齢に上限を設けており、日本の住民検診においても、対象者全員の受診機会が用意され
たうえで、受診を特に推奨する者を 69 歳以下の者としている(※1)。
※1 厚生労働省がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和 3 年 10 月一部改正)
(3) 受診者の利便性向上に向けた取組
受診者の利便性を上げる取組としては、休日・早朝・夜間における検診の実施、特定健診との同時
実施、勤務時間内に検診を受診できる体制の整備(職域)等が挙げられる。
(4) 検診受診者、検診提供者へのインセンティブ
(4-1) 検診受診者へのインセンティブ
がん検診を受診しない理由として、内閣府の世論調査では、前述の上位 3 項目に次いで「費用がか
かり経済的にも負担になる」が挙げられている。住民検診費用の自己負担額については、全対象者の
自己負担を免除している市区町村が約1割、年齢や所得に応じて一部対象者の自己負担を免除して
いる市区町村が約 7 割、自己負担の免除がない市区町村が約 2 割である(※1)。自己負担の免除に
よる受診率向上の影響については今後評価が必要である。
厚生労働省では、過去にがん検診を受診したことがない者に積極的に受診機会を提供するための
施策として、平成 21 年度より、初年度の受診対象者に無料クーポン券を発行する事業を行っている
(主に乳がん・子宮頸がん)。平成 25 年の厚生労働省検討会報告書では、「受診者へのインセンティブ
(費用軽減)による受診率向上効果は明確に評価できなかったが、本事業により自治体側の名簿整備
や勧奨システムの整備が促進された」と報告されている(※2)。
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