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参考資料5 がん検診事業のあり方について(案)(高橋参考人提出資料) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23760.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第34回 2/4)《厚生労働省》
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1.3. 検診実施の原則
検診の対象となる健常者は、症状のある患者とはリスクが異なること、検診には不利益が必発であ
ることなどから、検診には診療とは異なる原則が必要となる。
1968 年に世界保健機関(WHO)が公表した Wilson&Jungner による検診実施の原則は、対策として
検診導入を決定する際の基本的な原則である(表3-1)。その後の医療技術の進歩により新しい検
査 法 や プ ロ グ ラ ム が 開 発 さ れ る な か で 、 追 加 的 な 原 則 が 求 め ら れ る よ う に な っ た 。 2007 年に
Andermann らは、過去 40 年間に諸外国から公表された原則をレビューして統合し、WHO から新たな
原則として公表した(表3-2)。この原則には「消費者保護、情報に基づいた選択、科学的根拠に基づ
いた医療、費用対効果、品質保証、意思決定者の説明責任」など、近年関心が高い項目が反映され
ている。Wilson&Jungner による原則を再検討する試みは現在でも続いている(別添1)。

表3-1 Wilson&Jungnerによる検診実施の原則 (研究班訳)
スクリーニングを計画する際の原則
1

スクリーニングの対象疾患は健康上の重要な問題である。

2

スクリーニングの結果、診断された疾患を有する患者のために、〔有益性が〕認められた治療法
が存在する。

3

スクリーニングの結果診断された疾患に対して診断及び治療が可能な医療機関が存在する。

4

スクリーニングの対象疾患は症状が発現する前の、または初期症状を呈する段階があり、その
段階での診断が可能である。

5

スクリーニングのための適切な検査または診察方法がある。

6

スクリーニングに用いられる検査は集団に受け入れられるものである〔(対象者に嫌がられるよ
うな検査ではない)〕。

7

スクリーニングの対象疾患は、症状が発現する前の段階から発症した段階に至るまでを含む自
然史が十分に理解されている。

8

どのような者を患者として治療するかについて一致した方針がある。

9

患者の見つけ出し(診断から治療までを含む)の費用は、医療に支出される費用の全額と比べ
ても経済的にバランスがとれている。

10

患者の見つけ出しは継続的に実施されるプロセスであり、「一度きり」の事業ではない。

出典: Wilson JMG, Jungner G. Principles and practice of screening for disease Geneva: WHO; 1968.

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