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参考資料5 がん検診事業のあり方について(案)(高橋参考人提出資料) (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23760.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第34回 2/4)《厚生労働省》
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表3-2

Andermann らによる検診実施の原則 (研究班訳)
過去 40 年間に提案された原則の統合

1

検診プログラムの必要性が認識されている

2

検診の目的がはじめに定義されている

3

対象集団が定義されている

4

検診プログラムの科学的根拠がある

5

検診プログラムでは教育、検査、診療、プログラム管理が統合されている

6

検診の潜在的リスクを最小化するためのメカニズムを備えた精度管理が行われる

7

プログラムでは情報に基づいた選択、機密性、自律性が確保される

8

プログラムでは対象集団の公平性と検診へのアクセスが促進される

9

プログラムの評価がはじめから計画されている

10

検診の全体的な利益が不利益を上回る

出典: Anne Andermann, et.al. Revisiting Wilson and Jungner in the genomic age: a review of screening
criteria over the past 40 years. Bull World Health Organ. 2008.

1.4. がん対策としての国際的ながん検診のモデル (Organized screening)(※1-4)
2003 年に欧州連合理事会(The Council of the European Union)は、Wilson&Jungnerによる原則や
国際的な好事例をふまえて、がん対策としての適切ながん検診実施方法に関する勧告を行った。勧告
では、検診をプログラムとして行い(検査項目、検診間隔、対象者の定義等を文書化し公開すること)、
かつ対策型検診(Population-based)の方式(適格な対象集団を特定し、対象者を個別に勧奨する方
式) で実施することとされた。現在この手法は「Organized screening」として EU や WHO から推奨され
ている。
Organized screening では、上記の定義のほかにも、高度なプログラム管理の必要性が要件として内
包されており、実施チームが国あるいは地域レベルで設置され、プログラムの管理・評価を行う。さら
に、マネジメントに必要な精度管理のガイドラインや仕組みも策定される。科学的根拠のある検診が、
品質保証体制のもと高い質で提供されるため、高い受診率や精検受診率が維持される。つまり検診
の全工程が組織化されることにより、検診の利益の最大化、不利益の最小化が期待できる(表4、※
5)。今後日本においても「対策型検診」を Organized screening の水準に引き上げることが求められる
(対策型検診の説明は第2章参照)。

表4 Organized screening と Opportunistic screening (任意型検診)の比較
Organized screening

Opportunistic screening (任意型検診)

検診の

対象集団におけるがんの死亡率・罹患率

個人レベルにおけるがんの死亡率・罹患

目的

の減少

率の減少

5