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産業保健委員会答申について (34 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html
出典情報 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》
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すべきと考える。尤も、市販のガス検知警報器の多くは“脱出限界濃度”よ
り低い“警戒濃度”で警報が鳴るよう設定されており、“警戒濃度”でリス
クを回避する行動を起こすことで急性中毒を防止することができると考え
る。

(2)皮膚腐食性/皮膚刺激性

化学物質による健康被害のうち皮膚障害が 57-62%を占めている(労働者
死傷病報告)ことから、「化学防護手袋の選択、使用等について」(平成 29
年 1 月 12 日付け基発 0112 第 6 号)が出され、化学防護手袋の選択、使用
等の留意事項が定められた。保護具着用管理責任者の選任が義務化されたの
で、保護具着用管理責任者が保護衣を含め適正な保護具を選択し、指導する
ことで予防できる。
しかし、化学防護手袋研究会のホームページ 5)には次のように書かれてい
る。「今の我が国においては、化学物質に対する手袋の耐浸透性・耐透過性
や耐劣化性などの基本情報が欠如しており、また物性に関わる基礎検討も行
われていないなど、現状では手袋使用事業者が手袋の適正な使用や維持管理
を行うことは極めて困難となっています。
このため、化学防護手袋の国際的技術動向、化学物質の計測や検出、手袋
性能の一層の向上のための材質検討や加工技術などの収集と整理、また新た
な課題の発掘が喫緊の課題となっています。(中略)
今後も、研究会を通じて化学防護手袋の製造者や使用者が化学物質へのば
く露を防護するための有益な情報を入手できるよう、活動していきます。」
この状況は今も変わっておらず、手袋さえ着用していれば皮膚障害は予防
できるといった間違った観念は捨て、事業者、保護具着用管理責任者をはじ
め職場の誰もが、化学防護手袋研究会等の活動に協調して、有効な化学防護
手袋の開発を推進し、適正な使用を推奨することでリスク低減を進めること
が求められる。

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