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産業保健委員会答申について (59 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html
出典情報 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》
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セクシュアルマイノリティー、有病者、ダブルワーカーなど、様々な背景や事
情から通常の医療から零れ落ちかねない社会的な弱者が増加することが想定
される中で、産業保健活動が、医療者とつながるセーフティネットになるこ
とも考えられる。

3.7. トラック、バス、タクシーの自動車運転者の長時間労働の抑制
(2024 年問題)
自動車運転者は、他の産業の労働者に比べて長時間労働の実態にあり、そ
のために「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」
(平成元年労働省
告示第 7 号、
「改善基準告示」と呼ばれる)が設けられている。通常の労働基
準法では難しいとされる拘束時間(始業から終業までの時間)
、休息期間(勤
務と勤務の間の自由な時間)、運転時間などの基準が、自動車運転者に対して
制定され、これにより労働条件の改善が図られてきた。
自動車の運転業務に関しては、働き方改革関連法により、2024 年 4 月 1 日
から時間外労働の上限規制が適用され、臨時的な特別の事情がある場合の時
間外労働時間の限度は年 960 時間とされている。さらに、将来的には一般的
な時間外労働の上限規制の適用を目指す規定が設けられている。
こうした中で、過労死等の予防のために、労働政策審議会は改善基準告示
の見直しを検討し、2022 年 12 月にその改正を行った。2024 年 4 月 1 日から
は、時間外労働の上限規制(年 960 時間)とともに、改正された改善基準告
示が適用される。これに伴い、厚生労働省は関係省庁と協力して、自動車運転
者の長時間労働の是正に向けた環境整備に取り組んでいる。
特に、トラック運転者については、長時間労働の要因の中に、荷主との取
引慣行などがあり個々の運送事業者の努力だけでは見直すことが難しい。そ
のため、2018 年 11 月には厚生労働省と国土交通省が「荷主と運送事業者の
協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」を策定し、
周知を図った。また、2022 年 8 月には荷主と運送事業者向けに「トラック運
転者の長時間労働改善特別相談センター」を設置し、労務管理や取引環境改
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