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産業保健委員会答申について (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html |
出典情報 | 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》 |
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(5)発がん性
がん発症の原因については、P. Pott が 1775 年に煙突掃除人に陰嚢皮膚癌
が多発することを報告し、煤がその原因であることを疫学として推論したこ
とが最初である。動物実験としては、山際勝三郎と市川厚一はウサギの耳に
コールタールを塗擦して 1915 年に癌を発症させたことが最初である。以来、
多くの知見が評価された。国連 GHS 発がん性分類の区分 1A(ヒトに対する
発がん性が知られている)、1B(ヒトに対しておそらく発がん性がある)
、2(ヒ
トに対する発がん性が疑われる)は、IARC(国際がん研究機関)のグループ
1(ヒトに対して発がん性がある)、グループ 2A(ヒトに対しておそらく発が
ん性がある)、グループ 2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)にそ
れぞれ概ね対応している(表 2.9)。
表 2.9
発がん性の分類
国連 GHS 発がん性分類
IARC(国際がん研究機関)
1A (ヒトに対する発がん性が知ら 1
れている)
(ヒトに対して発がん性があ
る)
1B (ヒトに対しておそらく発がん 2A (ヒトに対しておそらく発が
性がある)
2
ん性がある)
(ヒトに対する発がん性が疑わ 2B (ヒトに対して発がん性があ
れる)
る可能性がある)
IARC は 2023 年 12 月現在、128 種類の要因をグループ 1 とし、98 種類の
要因をグループ 2A、323 種類の要因をグループ 2B に分類している。特に、
肺がんについては 31 種類の要因をグループ1とし、19 種類の要因をグルー
プ 2A と、膀胱がんについては、17 種類の要因をグループ1とし、12 種類の
要因をグループ 2A としており、これらの要因の多くは化学物質による職業性
ばく露である。脳腫瘍についてはグループ1、グループ 2A に該当する化学物
質はないが、動物実験では、N-ニトロソ化合物に経胎盤的に曝露した F1 世代
で脳腫瘍が増加することが明らかにされていることから、生殖毒性としても
30
がん発症の原因については、P. Pott が 1775 年に煙突掃除人に陰嚢皮膚癌
が多発することを報告し、煤がその原因であることを疫学として推論したこ
とが最初である。動物実験としては、山際勝三郎と市川厚一はウサギの耳に
コールタールを塗擦して 1915 年に癌を発症させたことが最初である。以来、
多くの知見が評価された。国連 GHS 発がん性分類の区分 1A(ヒトに対する
発がん性が知られている)、1B(ヒトに対しておそらく発がん性がある)
、2(ヒ
トに対する発がん性が疑われる)は、IARC(国際がん研究機関)のグループ
1(ヒトに対して発がん性がある)、グループ 2A(ヒトに対しておそらく発が
ん性がある)、グループ 2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)にそ
れぞれ概ね対応している(表 2.9)。
表 2.9
発がん性の分類
国連 GHS 発がん性分類
IARC(国際がん研究機関)
1A (ヒトに対する発がん性が知ら 1
れている)
(ヒトに対して発がん性があ
る)
1B (ヒトに対しておそらく発がん 2A (ヒトに対しておそらく発が
性がある)
2
ん性がある)
(ヒトに対する発がん性が疑わ 2B (ヒトに対して発がん性があ
れる)
る可能性がある)
IARC は 2023 年 12 月現在、128 種類の要因をグループ 1 とし、98 種類の
要因をグループ 2A、323 種類の要因をグループ 2B に分類している。特に、
肺がんについては 31 種類の要因をグループ1とし、19 種類の要因をグルー
プ 2A と、膀胱がんについては、17 種類の要因をグループ1とし、12 種類の
要因をグループ 2A としており、これらの要因の多くは化学物質による職業性
ばく露である。脳腫瘍についてはグループ1、グループ 2A に該当する化学物
質はないが、動物実験では、N-ニトロソ化合物に経胎盤的に曝露した F1 世代
で脳腫瘍が増加することが明らかにされていることから、生殖毒性としても
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