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産業保健委員会答申について (51 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html
出典情報 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》
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2.12. 終わりに
職業性胆管癌は誰もが発症を予見できなかった。発端となった会社 12)は、
発生後、本質安全を追求して、全員参加の安全文化を醸成して快適職場づくり
でもって最善を尽くして、経営上の危機を乗り越え、厚生労働省平成 28(2016)
年度「
『見える』安全活動コンクール」で優良な活動事例に選ばれ、2018 年か
ら連続健康経営優良法人に認定され、うち 2021 年と 2022 年はブライト 500
に認定されている。
リスクが予見できなくても、本質安全を追求し、全員参加の安全文化を醸成
して快適職場づくりを行えば、自律的管理は可能である。
そのためには、化学物質管理者は SDS 記載事項をしっかり読み、その根拠
まで調べ、関係者が力を合わせてリスクマネジメントのシステム化を図るこ
とが求められる。また、作業者一人一人が化学物質の怖さを知り、不安全行動
をなくしていくための活動ができるよう労働衛生教育を推進することも求め
られている。
産業医にとっても、SDS は医薬品の添付文書に類似しており馴染みがあり、
事業場で取り扱う化学物質の SDS は手元に置いて、必要に応じて閲覧し防止
対策を考えてほしい。さらには、関係論文を検索し SDS の背景まで検索して
調べ、リスク削減を追求することが求められる。
労働者健康安全機構では、令和 5 年度から産業保健総合支援センターにお
いて職場の化学物質管理全般に関する相談・支援事業を開始している。現場
の産業医も、この相談・支援事業を是非とも利用していただきたい(巻末資
料 6 参照)。

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