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産業保健委員会答申について (60 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html
出典情報 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》
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善のための支援を行っている。さらに、労働基準監督署は発着荷主に対して、
長時間の恒常的な荷待ち時間を発生させないよう要請などを行い、事業者と
荷主の協力により、これらの課題の改善が進むよう努めている。
自動車運転者の労働環境において、労働時間の長さや労働条件の改善が求
められている中、厚生労働白書に示された取り組みは注目すべきである。特
に、自動車運転者に対する改善基準告示の見直しや時間外労働の上限規制の
適用は、労働者の健康と安全を保護する観点から重要である。また、第 14 次
労働災害防止計画においても、陸上貨物運送事業者の労働災害防止について
は重点項目として取り上げられている。これに伴い、産業医にも、自動車運転
者の労働状況や健康面に焦点を当て、労働時間や休息期間に関する法令の変
更に留意する必要がある。また、トラック運転者における荷主との協力によ
る取引環境や長時間労働の改善に向けた取り組みも進められている。これら
の取り組みが、労働者の健康促進と働き方改革の一環として継続的に進展し
ていくことが期待される。産業医としては、これらの法令やガイドラインの
変更が労働者の健康にどのような影響を与えるかを的確に把握し、企業や労
働者に対して適切な健康支援や労働環境の改善策を提案していくことが求め
られる。また、これらの変更を適切に理解し、職場での実践に反映させるため
には、産業医だけでは自動車運転者の健康管理は行うことができないため、
労働関係者との協力が不可欠である。認定産業医は、トラック運転手の労働
状況に関する認識が不足していることから、今後、産業医学研修等を通じた
情報提供等が必要となるだろう。

3.8. 心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正
心理的負荷による精神障害の労災認定基準は 2011 年に制定され 10 年以上
経過していた。近年の社会情勢の変化や労災請求の増加を踏まえ、令和 5 年
9 月 1 日に最新の医学的知見を考慮した改正が行われた。改正の要点は以下
の通りである。まず、業務における心理的負荷評価表が見直され、新たな要素
として「カスタマーハラスメント」、「感染症等の病気や事故の危険性が高い
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