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産業保健委員会答申について (7 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011723.html
出典情報 産業保健委員会答申について(5/15)《日本医師会》
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はじめに
今期の産業保健委員会は、会長からの諮問事項である「認定産業医制度の
あり方と新しい化学物質管理における産業医の役割」について検討した。
まず、認定産業医制度のあり方については、働く人々の急速な高齢化によ
り、その健康課題への対応が一層重要となっていることから、多くの中小事
業場に関与する唯一の医療職である認定産業医に期待される役割はこれから
ますます重要になると考えた。特に、健康診断結果に基づく就業適性の判断
は職場や作業を理解している産業医にしかできない職務であり、契約事業場
における業務に内在する有害要因とそのリスク低減策について最新の知見を
修得することが大切と考えた。また、労働者の職場復帰や事業者への勧告を
適切に行うには労使関係について正しく理解することが大切と考えた。そこ
で、本答申では、資格更新に産業医学に特徴的な有害業務管理、作業環境管
理、作業管理の受講を義務づけることを提言した。また、認定産業医の更新
率を向上させるために、都道府県医師会による積極的な生涯研修会の開催、
全国医師会産業医部会連絡協議会の活用、一定の条件下でのオンデマンド研
修の活用について検討を進めることとしている。
次に、新しい化学物質管理における産業医の役割については、この機会に、
化学物質のばく露、吸収、分布、代謝、排泄、健康影響等について、産業医が
理解を深めるべきであることを記した。そして、リスクの見積りや低減策に
関する化学物質管理者や保護具着用管理責任者の役割の重要性を理解して、
それぞれに助言すべきであることを記した。また、リスクアセスメント対象
物健康診断の内容や衛生委員会での審議事項に意見を述べる役割、労働衛生
教育を行う役割、緊急時対応に対応する役割についても記した。
さらに、近年の産業保健を取り巻くさまざまな課題についても言及した。
この答申が、これからの認定産業医の資質と社会的評価の向上につながる
ことを期待する。

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