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別紙2:「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)本編 (60 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000395.html
出典情報 「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)の公表(5/31)《総務省》
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医療資源の節約、人的リソースの効率的な活用によって、生産性向上への寄与も期待さ
れることから、専門歯科医療におけるタスクシフトのモデルとしても重要な意味を持っていま
す。
3.1. 導入後の効果
■医療の質の側面
・早期再発・早期治療
オンライン診療により、離脱率を低く抑えつつ、定期的なフォローアップを継続的に実
施することが可能であり、これが病状の早期発見や再発リスクの低減に貢献していると
考えられます。これは、口腔がんなどの重篤な疾患において特に重要な意義を持って
います。特に、雪の影響を受けやすい季節には、公共交通機関などの制約により定期
受診の間隔が延びがちですが、来院が不要なオンライン診療を利用することで、診療
間隔を無理に延ばすことなく適切な診療を提供できます。
・入院前の検査等のスムーズな連携
オンライン診療により、気仙沼市立病院で入院前に必要な検査や評価を行うことが
でき、結果として東北大学病院への通院頻度を削減しています。このアプローチによっ
て、東北大学病院への入院後、患者の手術をより迅速に実施することが可能になって
います。
■患者満足度の側面
・通院にかかる時間と費用の削減
オンライン診療の導入により、特に遠隔地に住む患者は、通院の頻度とそれに伴う
時間的、経済的負担が大幅に軽減されています。この成果は、高齢者が多い地域にお
いて特に顕著で、介助が必要な患者や付き添い者の負担軽減にも大きく寄与していま
す。その結果、患者はアクセスしやすい医療機関で医療サービスを受けることができる
ようになり、全体的な満足度が向上しています。
3.2. 導入後の課題や留意点
オンライン診療の実施には、継続性が重要であると認識されています。不定期に実施す
るのではなく、定期的にオンライン診療を実施することが、この継続性を確保するために重
要です。継続的な診療により、医療提供者はオンライン診療に慣れ、必要なスキルを維持す
ることができます。東北大学病院では、オンライン診療の枠を月に2回設定し、気仙沼市立
病院と定期的なオンライン診療を行っています。本ケースでは、気仙沼市立病院が予約枠
に合わせて患者の来院を調整しています。また、オンライン診療を実施する際には、各医療
機関の情報端末の管理や担当部門との連携に留意する必要があります。D to D のケース
では、相手病院の情報端末の操作や管理、関連部門との調整が特に重要になります。診療
科に必要なインフラが整っていない場合、資材課等からパソコンを借用し、Wi-Fi の設定や、
初期段階では担当者の同席など、病院側での調整が必要になることがあります。このプロ
セスに加え、事務部門からの要望に基づき、患者情報の漏洩リスクを最小限に抑えるため
の専用ツールの使用が検討されています。汎用ツールでは責任分界点が不明瞭な場合が
あり、責任問題の担保が必要となるため、よりセキュリティ面での安全性を考慮した専用ツ
ールの導入の検討が進められています。

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