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別紙2:「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)本編 (84 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000395.html
出典情報 「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)の公表(5/31)《総務省》
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3. 導入効果
つくばハートクリニックでは、オンライン診療の導入が診療所と患者双方に多くの利点をも
たらしている一方で、今後はオンライン診療にかかる費用の抑制や人材育成の必要性を認
識しています。
3.1. 導入後の効果
■医療機関の効果
医療の質の向上:患者と対話するだけでは把握が難しい実際の生活状況や患者の生
活圏情報を把握できるのは、大きな効果であると感じています。また、オンライン診療を
実施することで、適切な服薬管理や在宅での食事指導、心不全等の急な症状の悪化で
受診が困難なケースへの対応が可能となるため、医療の質の向上及び予防医療に寄与
していると考えています。
■患者の効果
医療アクセスの向上:居住地近傍に医療機関がない場合だけでなく、交通手段がない
交通弱者や身体能力が低下して病院に通院できなくなった人にとって、医療機関受診の
有効な選択肢になると考えています。
■その他の効果
・社会保障費の抑制
地域包括ケアシステムの導入が進み、医療・介護の場が在宅中心となっていく中で、
訪問診療を補完するものとしてオンライン診療を活用することで、病態の重症化を防ぐ
ことに加え、不安からなる不要の往診や医療機関受診を減らすことができ、結果として
社会保障費抑制につながるものと考えています。
・医師不足地域における対策
医師不足の地域における、医師の労働時間の短縮も期待もできます。
3.2. 導入後の課題や留意点
■業務負担
オンラインでの訪問診療のニーズが高く、業務がひっ迫していることに加え、訪問看護
師は患者の様子を現場で直接見て、自分の判断で動く必要があるなど、スキルが求め
られるため、経験年数が浅い看護師の場合、負担感があると考えられます。
■費用対効果
端末や通信システム、看護師を派遣する人件費の負担など、コスト面での課題がある
と考えおり、可能な限り安価なシステム・機器を活用するなど費用を抑制することが重要
と考えています。
■支え手の育成
患者の支え手として、訪問看護師のみならず、介護士や地域住民等の誰もが使える
ようなシステムを構築し展開していくことが必要と考えています。また、遠隔医療をサポ
ートする人材を地域として育成することが重要と考えています。

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