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別紙2:「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)本編 (65 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000395.html
出典情報 「遠隔医療モデル参考書-オンライン診療版-」(改訂版)の公表(5/31)《総務省》
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大井田病院が位置する高知県宿毛市の高齢化率は約 40%と全国平均の 28.8%を大きく上
回っており、高齢者の方だけで暮らす世帯も 18%となっていました(数値はいずれも令和2年
時点。)。猛烈なスピードで人口減少が進むなか、デジタル化による地域全体での業務効率
化は必須となっており、地域への対人援助の幅と深さを強化することで厳しい環境にある住
民支援が可能になると考え、2019 年 12 月に宿毛市、社会福祉協議会、医師会で「健康的な
まちづくり連携協力に関する協定」を締結しました。宿毛市は、一定の医療提供体制を有して
いる一方で、「医療機関へのアクセス」と「高齢者への多剤服薬・重複投薬」に課題感があり
ました。患者への医療を支える体制の構築に当たって、「市民の医療へのアクセシビリティ向
上による治療の継続」と「重複投薬などの低減」に加えて、「医療提供側の効率化」も踏まえた
同時実現可能性と有用性を検証した結果、地域医療の抱える課題の可視化を念頭に、かか
りつけ医を拠点とした「オンライン診療」「オンライン服薬指導」「地域医療情報ネットワーク」の
3つを組み合わせて行う「SUKUMO オンライン医療実証事業」として令和3年6月より、6か月
間にわたり実証事業を開始しました。実証事業においては、宿毛市と地域の中核病院である
大井田病院だけでなく、幡多医師会や NTT ドコモ四国支社など、官民あわせて 14 の団体が
連携して、オンライン診療・オンライン服薬指導・地域医療情報連携ネットワークを組み合わ
せて活用することによる地域医療課題の同時解決の実現可能性と有用性を検証しました。実
証事業終了後は、地域実装がされ、令和4年 12 月以降は、実証事業にも参画していた高知
県による補助を受け、ヘルスケアモビリティが整備されているなど、さらなる課題解決に向け
て取組が継続されています。
1.3. 導入プロセス
オンライン診療の導入にあたって、実証事業の一環として、地域の住民がオンライン診療
を受診可能な環境にあるか、診療費用を支払うためのクレジットカードを所持しているかなど
のアンケート調査を実施しました。また、病院職員向けの研修を実施した上で、オンライン診
療を開始しました。具体的には、厚生労働省が展開する e-learning の受講勧奨を積極的に行
い、新入職員に対しては On-The-Job Training(OJT)を実施しました。さらに、看護師、医師
事務作業補助者、医事課職員、診療情報職員等には、オンライン診療における予約管理や
オンラインセッティング等の業務を補助してもらいました。業務として実践してもらう中で、徐々
に知見が蓄積され職員の理解も進みました。
2. システム
2.1. 使用しているシステム
大井田病院では、オンライン診療システムとして、CLINICS(株式会社メドレー)を使用して
います。オンライン服薬指導においては、薬局が Pharms(株式会社メドレー)を活用していま

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