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資料No.1-1~1-5_第十八改正日本薬局方第二追補(案) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》
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第十八改正日本薬局方第二追補

1

その元素の実際の天然存在比及び環境分布などの要因により判

2

断された.

3

クラス1:クラス1に分類されている元素は,ヒトに対する毒

4

性の高い元素である.クラス1の元素は,As,Cd,Hg及び

5

Pbである.これらの元素は,医薬品の製造において使用が

6

制限されるため,使用されることは希である.製剤に含まれ

7

るこれらの元素は,通常,用いられる鉱物由来の添加剤など

8

の原材料に由来する.これら4種類の元素不純物は,混入す

9

る可能性のある起源及び投与経路の全般にわたるリスクアセ

10

スメントが必要である.リスクアセスメントにより,PDE

11

値に適合することを保証するために更なる管理が必要である

12

場合に,試験を適用することがあるが,全ての構成成分に対

一般試験法

34

2.66 元素不純物 9 .

表2.66-1 元素不純物のPDE値及びCTCL
経口製剤の
元素 クラス PDE 値
(μg/day)
Cd
Pb
As
Hg
Co
V
Ni
Tl
Au
Pd
Ir
Os
Rh
Ru
Se
Ag
Pt
Li
Sb
Ba
Mo
Cu
Sn
Cr

1
1
1
1
2A
2A
2A
2B
2B
2B
2B
2B
2B
2B
2B
2B
2B
3
3
3
3
3
3
3

5
5
15
30
50
100
200
8
300
100
100
100
100
100
150
150
100
550
1200
1400
3000
3000
6000
11000

皮膚適用製剤
注射剤の 吸入剤の
PDE 値 感作性の場合
PDE 値 PDE 値
(μg/day) の CTCL
(μg/day) (μg/day)
(μg/g)
2
5
15
3
5
10
20
8
300
10
10
10
10
10
80
15
10
250
90
700
1500
300
600
1100

3
5
2
1
3
1
6
8
3
1
1
1
1
1
130
7
1
25
20
300
10
30
60
3

20
50
30
30
50
100
200
8
3000
100




800
150
100
2500
900
7000
15000
3000
6000
11000





35

35


















13

してクラス1の元素不純物を測定することは必須ではない.

14

クラス2:クラス2に分類される元素は,クラス1の元素よりも

15

毒性が低く,投与経路に依存して,ヒトに対する毒性を発現

16

する元素で,製剤中に存在する相対的な可能性に基づいて,

17

更に2A及び2Bに分類される.クラス2Aの元素は,天然に存

18

在することが知られているCo,Ni及びVである.製剤中に

19

存在する可能性が比較的高いため,混入する可能性のある元

20

素不純物の起源及び投与経路の全般にわたるリスクアセスメ

21

ントが必要である.クラス2Bの元素は,Ag,Au,Ir,Os,

22

Pd,Pt,Rh,Ru,Se及びTlである.天然に存在する可能

23

性が低く,原薬,添加剤又は製剤のその他の構成成分の製造

24

中に意図的に添加されない限り,リスクアセスメントから除

35

*Ir,Os,Rh及びRuの場合,皮膚適用製剤のPDE値を設定す

外できる.

36

るには,データが不十分である.これらの元素の場合は,関連

37

する経路のPdのPDE値を適用する.

38

4. 元素不純物のリスクアセスメント及び管理

25
26

クラス3:経口投与による毒性が比較的低く,経口剤における

27

PDE値が500 μg/dayより高い元素である.クラス3の元素は,

28

Ba,Cr,Cu,Li,Mo,Sb及びSnである.意図的に添加さ

29

れない限り,経口製剤のリスクアセスメントでは考慮する必

30

要がない.注射剤や吸入剤では,その経路固有のPDE値が

31

500 μg/dayよりも高い場合を除き,意図的添加がない場合

32

にも,これらの元素不純物が混入するリスクを評価すべきで

33

ある.

39

製剤中の元素不純物の管理は,品質リスクマネジメントの手

40

法に従い,リスクアセスメントは,科学的知見及び原則に基づ

41

く必要がある.リスクアセスメントは,PDE値との関連で製

42

剤中の元素不純物量を評価することに焦点を置く.このリスク

43

アセスメントのために用いることができる有用な情報には,製

44

剤や構成成分の実測データ,原薬や添加剤の製造業者が提供す

45

る実測データやリスク評価結果又は公表論文から得られるデー

46

タなどが挙げられるが,これらに限定するものではない.

47

リスクアセスメントの取組みは,リスクのレベルに応じて実

48

施すべきであり,必ずしも原則的なリスクマネジメントプロセ

49

スを常に要求するものではなく,状況に応じ,より簡易なリス

50

クマネジメントプロセスを用いることも許容される.

51

4.1.

一般原則

52

リスクアセスメントプロセスは次の三つのステップからなる.

53

1) 製剤の製造過程での元素不純物の混入源を明確にする.

54

2) 製剤中の特定の元素不純物の存在を,実測値又は予測値

55

で求め,PDE値と比較することにより評価する.

56

3) リスクアセスメントの結果をまとめ,工程に組み込まれ

57

た管理が十分であるかどうかを確認する.また,製剤中の

58

元素不純物を制限するために考慮すべき追加の管理につい

59

て特定する.

60

多くの場合,これらのステップは同時に検討される.元素不

61

純物を確実にPDE値以下であることを保証する最終的なアプ

62

ローチを策定するまで繰り返されることがある.

63

4.2.

64

元素不純物の混入起源

製剤の製造において,元素不純物の混入起源のカテゴリーは

日本薬局方の医薬品の適否は,その医薬品各条の規定,通則,生薬総則,製剤総則及び一般試験法の規定によって判定する. (通則5参照 )