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資料No.1-1~1-5_第十八改正日本薬局方第二追補(案) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00008.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和5年度第1回 1/22)《厚生労働省》
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第十八改正日本薬局方第二追補

1

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3
4
5
6

一般試験法

一般試験法の部

改正事項

2.03

薄層クロマトグラフィーの条 1.

器具及び装置以降を次のように改める.

2.03

薄層クロマトグラフィー

一般試験法

通例,以下の器具及び装置を用いる.

1 .

49

像度を持つイメージスキャナを用いることもできる.なお,

50

365 nm照射による蛍光スポットの記録時には,目視で確認で

51

きる色調と記録の色調が異なる場合があることから,注意を要

52

する.デンシトメトリーを用いる薄層クロマトグラフィー用走

53

査装置は,紫外線による吸収,可視光による吸収又は励起光に

54

よる蛍光を展開した薄層板上で測定し,得られたクロマトグラ

55

ムをピーク情報に変換して記録・保存する.ピーク情報に変換

56

されたデータは定量的な解析に使用される.

57

2. 操作方法

58
1. 器具及び装置

2.03 薄層クロマトグラフィー

別に規定するもののほか,通例,次の方法による.

59

(ⅰ)

60

び標準溶液を調製し,規定する容量を薄層板の原線上にスポッ

試料溶液のスポット:医薬品各条に規定する試料溶液及

7

(ⅰ)

薄層板:薄層板は,平滑で均一な厚さのガラス板に一般

8

61

トする.薄層板の下端から約20 mmの高さの位置を原線とし,

試験法 〈9.42〉に規定される薄層クロマトグラフィー用担体の

9

62

試料溶液及び標準溶液などを左右両側から少なくとも10 mm

粉末をあらかじめ塗布したものである.医薬品各条に規定する

10

63

離しスポットした位置を原点とする.定容量の毛細管,マイク

要件を満たす場合は,濃縮ゾーン付き薄層板,ガラス板の代わ

11

64

ロシリンジ,マイクロピペットなどを用いて,約10 mm以上

りに硬質アルミニウムポリエステルシートなどを支持体に用い

12

65

の適切な間隔で直径2 ~ 6 mmの円形状又は幅4 ~ 10 mmの

た薄層板を用いることができる.薄層板は湿気を避けて保存す

13

る.必要に応じて,使用前に105 ~ 120℃の間の一定温度で

66

帯状にスポットし,風乾する.医薬品各条に規定する要件を満

14

30 ~ 60分間加熱,乾燥する.

67

たす場合は,原線の位置及び原点の間隔を変更することができ

15

(ⅱ)

68

る.

16

69

(ⅱ)

明な素材で作られた平底展開槽又は2槽式展開槽などを用いる. 70
展開用容器は薄層板の大きさに適した大きさのものを用いる.
71
(ⅲ) 発色装置:発色試薬の噴霧には,ガラス製噴霧器,電動
72
噴霧器などを用いる.被検成分の可視化のために,発色試薬を
73
噴霧後,加熱装置を用いて薄層板を加熱する場合がある.加熱
74
装置として,通例,恒温に設定したホットプレートを用いる.
75

を飽和させた展開用容器内で成分を分離させる.

恒温器を用いる場合は,あらかじめ恒温とした金属プレート上

23

76

展開容器を用いて展開する場合は別に規定する.薄層板をその

で薄層板を加熱する.また,液浸による発色及び気化した試薬

24

77

上端以外が器壁に触れないように置き,スポットが展開溶媒に

蒸気にさらすこと(燻蒸)による可視化には,展開用容器やデシ

25

78

浸かっていないことを確認後,容器を密閉し,常温で展開を行

ケーターなどが用いられる.

26

(ⅳ) 検出装置:可視光,主波長254 nm及び365 nmの紫外線

79

う.展開溶媒が,必要とされる展開距離に上昇するまで放置し,

27

80

薄層板を取り出し,風乾する.なお,展開前に原線(原点)に,

を照射でき,対応するフィルターを備えた光源及び暗箱,又は

28

81

また展開後に展開溶媒の先端に印を付ける.

これらの機能を備えた暗室などである.光源は,医薬品各条に

29

82

(ⅲ)

規定する試験の要件に適合する必要がある.光源の適合性は,

30

83

ポットを可視化し,色調や R f 値を確認する.通例,展開後に

放射強度について,光源を変更した際又は必要に応じて確認す

31

る.通例,蛍光剤入り薄層板に主波長254 nmを照射するとき

84

薄層板を取り出し,風乾して,薄層板上で分離したスポットを

32

85

直接,又は発色試薬を均等に噴霧し試薬を作用させて,薄層板

は,薄層板が緑色系の蛍光を発することを確認し,また,主波

33

長365 nmを照射するときは,例えば,5 μg/mLに調製した薄

86

上の被検成分を可視化し,目視で検出を確認する.被検成分が

34

87

紫外線吸収性を有する場合は,蛍光剤(蛍光指示薬)入りの薄層

層クロマトグラフィー用スコポレチンのメタノール溶液を薄層

35

板に2 μLスポットしたものが,青白色の蛍光を発することを

88

板を用い,主波長254 nmの紫外線を照射することにより検出

36

確認する.紫外線波長領域の中で365 nm付近に安定した放射

89

する.薄層板中の蛍光指示薬は,主波長254 nmの紫外線の照

37

強度を持つ高照度光源には,365 nmに幅の狭い線スペクトル

90

射により励起され,緑色系の蛍光を発する.被検成分のスポッ

38

を持つランプと,これより放射信号の強い366 nm (364 ~ 367

91

トは照射光を吸収して蛍光指示薬の励起を減少させることによ

39

nmの範囲)に線スペクトルを持つランプが存在する.使用する

92

り蛍光指示薬からの放射発光を減少させ,蛍光の背景に黒み

40

ランプにより光源及び波長の規格表記は異なるが,366 nmの

93

(暗紫色)のスポットとして観察される.紫外線照射下で励起さ

41

光源ランプを紫外線(主波長365 nm)の照射の光源として扱う

94

れ自ら蛍光を発する被検成分のスポットは,主波長365 nmの

42

95

紫外線を照射することにより蛍光指示薬がなくても薄層板上で

ことができる.

43

(ⅴ)

96

励起されて蛍光を発する.また,適切な発色試薬の噴霧,液浸

クロマトグラムの記録装置:検出装置に付加される撮影

44

97

及び燻蒸により,被検成分のスポットを可視化することができ

装置は,記録のための写真を撮影するために使用され,試験の

45

98

る.発色試薬によっては,噴霧後更に加熱することで可視化さ

実施に適した感度,解像度及び再現性を必要とする.カメラで

46

99

れることもある.噴霧後又は噴霧加熱後に主波長365 nmの紫

撮影し,フィルム画像又は電子画像の形式で記録・保存する.

47

100

外線を照射することにより,特徴的な蛍光を発することもある.

可視光下で検出したクロマトグラムの色調を記録する場合は,

48

101

なお,展開操作及び発色試薬による可視化は,換気が十分でき,

基準となる色見本を同時に撮影することが望ましく,十分な解

102

溶媒蒸気などを効率的に除去できるドラフトチャンバー装置な

17
18
19
20
21
22

展開用容器:通例,展開用容器は蓋のできる不活性で透

展開溶媒による展開:通例,次の方法に従い,展開溶媒

あらかじめ少量の展開溶媒を入れた展開用容器の内壁に沿っ
てろ紙を入れ,ろ紙を展開溶媒で潤し,更に展開溶媒を展開用
容器の内底から約10 mmの深さまで入れる.展開用容器を密
閉し,常温で約1時間放置し,展開用容器に気化した展開溶媒
を飽和させる.なお,ここに示した以外の条件で調製した飽和

可視化及び検出:展開終了後,薄層板上の被検成分のス

日本薬局方の医薬品の適否は,その医薬品各条の規定,通則,生薬総則,製剤総則及び一般試験法の規定によって判定する. (通則5参照 )