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医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル (59 ページ)
出典
公開元URL | https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/pdf/06.pdf |
出典情報 | 医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(4/4)《厚生労働省》 |
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事例 No.1
医療法人社団芳尚会 吉成医院
人材確保の先手策としても、BCP の観点からも
勤務間インターバル制度の導入が必要と判断
■ 所在地
茨城県久慈郡
■業
■ 設立年
1995 年
■ 従事者数(医師を除く)
種
有床診療所
52 名(2025 年 2 月現在)
■ 勤務間インターバル制度の概要
導入時期
2025 年 2 月
インターバル時間
11 時間
適用対象範囲
全職員
規定根拠
通達
(1)制度導入の目的
「勤務間インターバル制度」を導入する前から、11 時間の勤務インターバルを確保し続けてきました。しかし、
当院がある地域では、今後は人材不足がさらに深刻化することが確実です。
特に、将来の地域医療を担う若年層は確保しづらくなっていくことが予想されます。20 代、30 代は働き盛り
である一方、ライフステージがめまぐるしく変化する時期でもあります。子育てを含め、ワーク・ライフ・バラ
ンスの実現をサポートするためにも、休日と勤務間インターバルを適切に確保できる仕組みを整えなくてはなら
ないと考え、改めて制度としての導入を決めました。2025 年 4 月現在、
「勤務間インターバル制度」の導入は努
力義務なので、事業所としての積極的な姿勢を示して採用活動を円滑に進めるためにも、早期に就業規則へ盛り
込むことを検討しています。
「勤務間インターバル制度」の導入を決めた理由はほかにもあります。
1 つは、在宅医療ニーズの増加です。当院は在宅療養支援診療所としての役割も担っていますので、看取りを含
め 24 時間 365 日体制を整えることが必要です。
もう 1 つは、BCP の観点からです。突発的な事態はいつ起こるかわかりません。当院は 19 床と小規模ですが、
限られた人数で回していますので、新型コロナウイルス感染症のような感染症の拡大が発生すると、11 時間の勤
務間インターバルが確保できなくなるおそれもあります。特に、夜勤ができる看護師は限られていますので、仮
にインターバルが確保できなかった場合、制度としてストッパーをかけておかないと、なし崩し的にそのままに
なってしまうことを懸念しています。
現在は十分にインターバルを確保できる勤務体制となっていますが、在宅医療ではオンコールを含めた緊急対
応が増えるでしょうし、いつ大規模な感染症が起きるかわかりません。余裕のある今のうちに勤務間インターバ
ル制度を正式に導入し、十分なインターバル時間を確保できる体制づくりを進めていきたいと考えています。
(2)制度導入にあたって
以前、厚生労働省の「医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進事業」
(平成 30 年度)に参加し、3 年
間をかけて勤務環境を見直し、改善に取り組みました。現場の職員の声をあつめられるように意見箱やアンケー
トを行い、その結果を管理職のミーティングで共有しています。その結果、長時間労働の弊害や休日の必要性に
ついて、職員の意識がかなり高まりました。とりわけ、勤務シフトを組む病棟主任や各部署の主任管理者は、労
働時間や休日の確保についての理解が深まったので、11 時間の勤務間インターバルを確保するように勤務シフト
を組んでいたのだと思います。
とはいえ、それだけでは仕組みとして機能させるには弱いので、正式に「勤務間インターバル制度」を導入す
ることにしました。それに先立って導入したのがクラウド型の勤怠管理システムです。クラウド型の勤怠管理シ
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医療法人社団芳尚会 吉成医院
人材確保の先手策としても、BCP の観点からも
勤務間インターバル制度の導入が必要と判断
■ 所在地
茨城県久慈郡
■業
■ 設立年
1995 年
■ 従事者数(医師を除く)
種
有床診療所
52 名(2025 年 2 月現在)
■ 勤務間インターバル制度の概要
導入時期
2025 年 2 月
インターバル時間
11 時間
適用対象範囲
全職員
規定根拠
通達
(1)制度導入の目的
「勤務間インターバル制度」を導入する前から、11 時間の勤務インターバルを確保し続けてきました。しかし、
当院がある地域では、今後は人材不足がさらに深刻化することが確実です。
特に、将来の地域医療を担う若年層は確保しづらくなっていくことが予想されます。20 代、30 代は働き盛り
である一方、ライフステージがめまぐるしく変化する時期でもあります。子育てを含め、ワーク・ライフ・バラ
ンスの実現をサポートするためにも、休日と勤務間インターバルを適切に確保できる仕組みを整えなくてはなら
ないと考え、改めて制度としての導入を決めました。2025 年 4 月現在、
「勤務間インターバル制度」の導入は努
力義務なので、事業所としての積極的な姿勢を示して採用活動を円滑に進めるためにも、早期に就業規則へ盛り
込むことを検討しています。
「勤務間インターバル制度」の導入を決めた理由はほかにもあります。
1 つは、在宅医療ニーズの増加です。当院は在宅療養支援診療所としての役割も担っていますので、看取りを含
め 24 時間 365 日体制を整えることが必要です。
もう 1 つは、BCP の観点からです。突発的な事態はいつ起こるかわかりません。当院は 19 床と小規模ですが、
限られた人数で回していますので、新型コロナウイルス感染症のような感染症の拡大が発生すると、11 時間の勤
務間インターバルが確保できなくなるおそれもあります。特に、夜勤ができる看護師は限られていますので、仮
にインターバルが確保できなかった場合、制度としてストッパーをかけておかないと、なし崩し的にそのままに
なってしまうことを懸念しています。
現在は十分にインターバルを確保できる勤務体制となっていますが、在宅医療ではオンコールを含めた緊急対
応が増えるでしょうし、いつ大規模な感染症が起きるかわかりません。余裕のある今のうちに勤務間インターバ
ル制度を正式に導入し、十分なインターバル時間を確保できる体制づくりを進めていきたいと考えています。
(2)制度導入にあたって
以前、厚生労働省の「医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進事業」
(平成 30 年度)に参加し、3 年
間をかけて勤務環境を見直し、改善に取り組みました。現場の職員の声をあつめられるように意見箱やアンケー
トを行い、その結果を管理職のミーティングで共有しています。その結果、長時間労働の弊害や休日の必要性に
ついて、職員の意識がかなり高まりました。とりわけ、勤務シフトを組む病棟主任や各部署の主任管理者は、労
働時間や休日の確保についての理解が深まったので、11 時間の勤務間インターバルを確保するように勤務シフト
を組んでいたのだと思います。
とはいえ、それだけでは仕組みとして機能させるには弱いので、正式に「勤務間インターバル制度」を導入す
ることにしました。それに先立って導入したのがクラウド型の勤怠管理システムです。クラウド型の勤怠管理シ
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