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医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル (60 ページ)

公開元URL https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/pdf/06.pdf
出典情報 医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(4/4)《厚生労働省》
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ステム導入の際には、顧問社労士の協力を得て勤務管理や労働管理についてのミーティングを実施したほか、就
業規則の見直しも行い、管理職レベルが労務管理関係の知識をアップデートしています。
単にシステムを入れるだけでなく、導入の意義や関連する法律などの知識を学び直したおかげで、管理職がク
ラウド型の勤怠管理システムを有効に活用した労務管理をしています。正式に「勤務間インターバル制度」を通
達してからまだ日が浅いのにもかかわらず、管理職が率先して以前よりも進化した労働時間管理をしてくれてい
るのは、専門家の支援を受けながら知識のアップデートというプロセスを経て、クラウド型の勤怠管理システム
を導入して効率よく管理をしやすい体制に整えたからだと思っています。

(3)制度内容

① インターバル時間
全職員に 11 時間のインターバルを設定しています。勤怠管理システム上、自動でアラートや通知がでるように
設定しています。運用していく中で、イレギュラーなケースが出てきた場合は、条件付きで複数のインターバル
時間数を設定するなど柔軟な対応をしていこうと考えています。





② インターバル時間の確保に伴い、始業時刻がずれ込む場合の対応方法
現在はそうした事態は発生していませんが、運用していく中で必要なルール設定を行い、柔軟に調整していきます。

勤務間インターバル制度を
導入・運用している法人等の事例紹介

③ インターバル時間を確保できないことが認められるケース(適用除外となるケース)
災害発生時や想定外の感染症が流行した場合などを想定しています。現在改定準備中の就業規則に、勤務間イ
ンターバル制度とともに盛り込む予定です。
④ インターバル時間を確保できなかった時
万一の事態ですが、想定しなければならないと考えています。
②の「始業時刻がずれ込む場合の対応方法」とも
重なりますが、他の職員にやむを得ず早出残業を依頼するケースもあると思います。就業規則改定までに、その
場合の賃金や手当など、必要な対応方法を検討します。
⑤ インターバル時間の確保に向けた工夫・サポート
【勤怠管理システムの導入】
導入前は勤務間インターバルが確保できているかすぐわからなかったものの、勤怠管理システムに事前登録す
れば確保できているかどうかすぐわかるようになりました。

(4)制度導入の効果

最近、職員が知り合いや友人を紹介するリファラル採用が増えています。「医療勤務環境改善マネジメントシス

テム普及促進事業」に参加する前は離職率の高さに悩んでいたのですが、勤務環境改善にしっかり取り組んでき
た成果だと思っています。
当院がある茨城県久慈郡大子町は高齢化率が 50.7%と県内トップ(2025 年 1 月時点)で、人材確保が非常に
難しい地域です。口コミや紹介が効力を発揮しますので、
「勤務間インターバル制度」によって「働きやすい職場」
という口コミを増やしていきたいと思っています。

(5)制度の新規導入をめざす法人等へのアドバイス

いくら制度が素晴らしくても、運用する際には様々な壁が生まれます。当院も、以前は労働時間の管理まで手

が回らない管理職が少なくありませんでした。しかし、専門家(社会保険労務士)も交え、労務管理関係のミーティ
ングを行い、労働関連法規を踏まえた長時間労働の弊害や休日の必要性についての理解を深めたことで、しっか
りと労働時間の管理をしてくれるようになったのです。そうやって「働きやすさ」を追求していることが伝わっ
たからこそ、職員が知り合いや友人を紹介してくれるのでしょうし、当院がうまく勤務間インターバルを確保で
きている理由はそこにあると思っています。

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