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医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル (69 ページ)

公開元URL https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/pdf/06.pdf
出典情報 医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(4/4)《厚生労働省》
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事例 No.6

社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院
「全員が幸せに働けるように」いち早く導入し、
リリーフ体制も整備
■ 所在地

静岡県浜松市

■業

■ 設立年

1942 年

■ 従事者数(医師を除く)



一般病院
1,769 名(2024 年 4 月現在)

■ 勤務間インターバル制度の概要
導入時期

2012 年 2 月

インターバル時間

11 時間

適用対象範囲

看護師

規定根拠

看護部の人事労務マニュアル

(1)制度導入の目的

当院では、2012 年 2 月に看護師を対象として勤務間インターバル制度を導入しました。当時、雑誌などでも

健康と安全、生活の質に勤務間インターバルの確保が重要であるといった情報が掲載されるようになっており、
夜間・交代制勤務の見直しを含めて検討を進めました。
ちょうど同じタイミングで、日本看護協会が「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」の策定を進
めていました。当時の当院の看護部長が同協会の委員を務めていたこともあり、モデルケースになれるような体
制を整えたいと考えたのも、導入を後押ししました。
当時は、
「日勤→深夜」という勤務形態が、当院のみならず医療・看護界全体で常態化していました。当院の場合、
この勤務形態におけるインターバル時間は 7.5 時間でした。日勤が定時で終了せずに超過勤務となれば、さらに
インターバル時間が短くなります。看護師の健康に悪影響を及ぼしますし、過重労働は医療ミスや安全管理に直
結しますので、勤務間インターバル制度の導入によって早急に改善しようと考えました。

(2)制度導入にあたって

勤務間インターバル制度の導入することで、
必然的に
「日勤→深夜」
の勤務形態は成り立たなくなります。しかし、

長年続けてきた勤務形態ですので、それをやめることに対し、看護師からは反対意見がありました。
「休→深夜」
が始まる事もあり、生活時間と仕事時間が大きく変化することに対する戸惑いも少なくありませんでした。
看護課長会での検討やスタッフ対象の説明会も何度も行いましたが、全病棟で一気に変更しましたので、柔軟
に対応しきれないスタッフには不満がありました。確かにとても大きく働き方が変わりましたので、とにかくメ
リットと必要性を伝えることや、看護管理者の意識改革に力を注ぎました。勤務間インターバルを十分に確保す
ることが、自分たちの勤務環境を整えることになると言い続け、反対意見には個別に対応したことで徐々に不満
は少なくなっていきました。
運用ルールとしては、勤務間インターバル制度の導入前に、交代制勤務に関する基準を新たに決め、看護部の
人事労務マニュアルとして取りまとめました。勤務表の作成時に参照できるよう正循環の組み合わせ方法なども、
具体的な手順まで細かく決めています。
また、
「看護部全体の効率のよい人員配置」をするために「リリーフ体制」を整備しました。看護部の一員とし
て院内全体で協力体制をとることを目的としていますので、急な欠勤者が出たり、インターバルが守られなかっ
たりといった場合に備え、
各勤務形態に 1 名ずつのリリーフ要員を確保する「リリーフ体制」も整備しました。
「今
日の日勤はリリーフとして◯◯の病棟に入る」といった具合に、交代で所属フリーの看護師になるという形です。
どうしても複雑な運用になってしまいますが、
「複雑なマネジメントを楽しもう」と折に触れて管理者に声をかけ
続けることで、理解が深まりました。今では、全員で助け合いながら「リリーフ体制」を守っていこうという気
運が醸成されていると感じています。

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