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医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル (9 ページ)

公開元URL https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/pdf/06.pdf
出典情報 医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(4/4)《厚生労働省》
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勤務間インターバル確保に向けた医療業特有の課題

このように夜勤などにより不規則な勤務時間が続き、勤務間インターバルが確保されない状況が続くと、
十分な睡眠時間を確保できなくなることや生活リズムが乱れたりすることが懸念されます。職員等のワーク・
ライフ・バランスの実現が図られず、心身の疲労が蓄積することで、体調不良を引き起こすことにもつなが
るほか、離職によるさらなる人材不足や、場合によっては患者の安全が損なわれるおそれもあります。この
ため、勤務間インターバルの確保は非常に重要です。しかしながら、医療現場には、勤務間インターバルを
確保するに当たっての特有の課題もあります。
① 柔軟なシフト調整の難しさ
睡眠時間を確保し、生活リズムを乱さない方法として、オンコールでの緊急対応した場合に次の出勤時間
を後ろにずらすといった対応が考えられます。しかし、これにより翌日の人員体制が不十分となった場合、
医療の安全が確保できなかったり、患者や利用者に提供する医療が遅延する可能性があり、患者の容態への
影響が懸念されます。
また夜勤・交替制勤務においては、勤務間インターバルの確保を意識した勤務表を作成することができます
が、急な勤務変更や残業等によりインターバル時間が短くなってしまう場合もあります。この場合の対応とし
ても、患者の安全確保のため、次の出勤時間をずらすことは、十分な人員配置がなければ難しいと考えられます。
特に入院病棟において看護職員は、診療報酬上の配置要件を満たす必要があることや、日々の患者の重症度や
患者数に応じた看護職員数を確保する必要があるため、柔軟なシフト調整を行うための工夫が必要となります。
② 緊急対応の可能性が常時ある
他の業種の場合、緊急対応の頻度が低いため、勤務間インターバル制度を導入して「緊急対応時は適用除外」
とするケースもあります。しかし、医療業では日常的に発生するため、そうした運用では、勤務間インター
バル制度をせっかく導入しても制度が形骸化するおそれがあります。
また、2 交替制勤務では、深夜勤務を 16 時間と設定することで、勤務表上の勤務間隔を長く設定して、勤
務間インターバルを確保している事業所も散見されますが、深夜の長時間勤務は心身共に負担が大きいこと
が明らかとなっています。
③ 勤務間インターバル確保の必要性への意識
医療業では、長らく看護師等を中心として 24 時間交替制勤務が当たり前の働き方であり、シフトによって
は勤務間隔が短くても、やむを得ないことと捉えられてきた側面があります。しかし、勤務間インターバル
が確保されず、心身の負担が大きい状況が続くと、勤務している方が働き続けることができず、離職率が高
まってしまいます。
すでに、
将来を担う若手層にその傾向が見られます。厚生労働省「令和 5 年若年者雇用実態調査」によれば、
今後転職したいと思っている若手正社員のうち、半数の 50.0%が「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社
にかわりたい」と回答しています。
また、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によれば、令和3年3月卒業者に
ついての就職後 3 年以内の離職率は、新規高卒就職者で 38.4%・新規大卒就職者で 34.9%であり、近年 3

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