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医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル (72 ページ)
出典
公開元URL | https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/pdf/06.pdf |
出典情報 | 医療業版 勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(4/4)《厚生労働省》 |
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② インターバル時間の確保に伴い、始業時刻がずれ込む場合の対応方法
該当のスタッフに訪問予定があった場合、管理者または他のスタッフが代行できるよう調整しています。
③ インターバル時間を確保できないことが認められるケース(適用除外となるケース)
オンコール対応で 22 時以降の夜間勤務が発生することを想定した制度設計としています。
④ インターバル時間を確保できなかった時
付与される最大 4 時間の有給の特別休暇について、翌日に 4 時間分を確保できないケースもありますが、翌々
日以降への持ち越しは行っていません。
⑤ インターバル時間の確保に向けた工夫・サポート
【管理者によるシフト代行】
事業所には数名のスタッフと管理者が在籍しています。管理者はスタッフのマネジメントが主な役割のため、
丸一日訪問看護に出るようなスケジュールではありません。そのためスタッフが深夜に緊急訪問して翌日休みを
第
5
章
とりたい場合、朝一番の訪問を管理者が代行するケースが多くあります。管理者は深夜に出勤したスタッフから
勤務終了時、又は始業時刻前までに報告を受け、休みの希望を聞き、管理者本人と他スタッフのシフトを調整し
ます。スプレッドシート(オンライン)でスケジュール管理を行い、全員に共有しているため、調整もスムーズです。
勤務間インターバル制度を
導入・運用している法人等の事例紹介
事業所によっては管理者が権限を委譲し、スタッフ同士で自主的にシフトを調整するところもあります。
【顧客担当者制からチーム制への移行】
同制度の導入時期、社内では顧客担当者制からチーム担当体制への移行が進みつつありました。以前はお客様
の安心感を重視し、お客様毎に担当者をつけていましたが、土日祝日も含め 365 日 24 時間ケアできる体制を目
指す上では、看護師自身も休めなくなってしまうなどの難しさが見えてきていました。また他のスタッフの訪問
を急遽代行する場合「誰かのお客さんなので私は全然わからない」という状況を避けるには、チームでの対応が
必要でした。担当制からチーム制に移行したことで、お客様情報を共有し誰でも対応できる体制を作ることができ、
結果シフトや休みも調整しやすく勤務間インターバルが確保できる職場環境作りが進みました。また、管理者含
め複数の看護師の視点が入ることで、よりよいケア・サービスが提供できるようになったことは、お客様のメリッ
トにもつながると考えています。事前にスタッフからの丁寧な説明もあり、お客様からも一定のご理解を頂くこ
とができました。
(4)制度導入の効果
勤務間インターバル制度を導入することによって、それまで夜間に出動しても翌日勤務は当たり前、と思って
いた看護師には喜んでもらえました。翌日 1、2 時間でも休めると回復力が異なります。深夜勤務の翌日の勤務中
の集中力やお客様を訪問する際の自分のコンディションも改善できるというコメントもありました。休みを取っ
た日は実際の訪問数も減るため、夕方のステーション内での報告業務も少なく、残業も減りさらに休める時間が
増やせます。看護師が休息をとることがよりよい医療や、医療安全にもつながると感じます。現場の工夫で徐々
に定着してきています。
また、当社が特に力を入れている採用面でも制度導入の効果を感じます。訪問看護事業者で他に同様の制度を
導入しているケースが少ないので、採用面で差別化できています。ホームページにも掲載し、ワーク・ライフ・
バランスに力を入れていることを外部に伝えています。はじめて訪問看護に挑戦する方も、一人で緊張するシー
ンが多い中、このような制度があれば負担が軽減できるので挑戦のハードルが下がると思います。
(5)制度の新規導入をめざす企業へのアドバイス
お客様目線で考えると、できるだけ訪問してさしあげたいと思う企業も多いと思いますが、訪問するスタッフ
の健康づくりがサービスの向上につながります。当社も最初は、勤務間インターバル制度の導入は難しいのでは
という思いも強かったのですが、みんなで工夫しながら、自分たちのため、ひいてはお客様のためになると進め、
定着してきています。
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該当のスタッフに訪問予定があった場合、管理者または他のスタッフが代行できるよう調整しています。
③ インターバル時間を確保できないことが認められるケース(適用除外となるケース)
オンコール対応で 22 時以降の夜間勤務が発生することを想定した制度設計としています。
④ インターバル時間を確保できなかった時
付与される最大 4 時間の有給の特別休暇について、翌日に 4 時間分を確保できないケースもありますが、翌々
日以降への持ち越しは行っていません。
⑤ インターバル時間の確保に向けた工夫・サポート
【管理者によるシフト代行】
事業所には数名のスタッフと管理者が在籍しています。管理者はスタッフのマネジメントが主な役割のため、
丸一日訪問看護に出るようなスケジュールではありません。そのためスタッフが深夜に緊急訪問して翌日休みを
第
5
章
とりたい場合、朝一番の訪問を管理者が代行するケースが多くあります。管理者は深夜に出勤したスタッフから
勤務終了時、又は始業時刻前までに報告を受け、休みの希望を聞き、管理者本人と他スタッフのシフトを調整し
ます。スプレッドシート(オンライン)でスケジュール管理を行い、全員に共有しているため、調整もスムーズです。
勤務間インターバル制度を
導入・運用している法人等の事例紹介
事業所によっては管理者が権限を委譲し、スタッフ同士で自主的にシフトを調整するところもあります。
【顧客担当者制からチーム制への移行】
同制度の導入時期、社内では顧客担当者制からチーム担当体制への移行が進みつつありました。以前はお客様
の安心感を重視し、お客様毎に担当者をつけていましたが、土日祝日も含め 365 日 24 時間ケアできる体制を目
指す上では、看護師自身も休めなくなってしまうなどの難しさが見えてきていました。また他のスタッフの訪問
を急遽代行する場合「誰かのお客さんなので私は全然わからない」という状況を避けるには、チームでの対応が
必要でした。担当制からチーム制に移行したことで、お客様情報を共有し誰でも対応できる体制を作ることができ、
結果シフトや休みも調整しやすく勤務間インターバルが確保できる職場環境作りが進みました。また、管理者含
め複数の看護師の視点が入ることで、よりよいケア・サービスが提供できるようになったことは、お客様のメリッ
トにもつながると考えています。事前にスタッフからの丁寧な説明もあり、お客様からも一定のご理解を頂くこ
とができました。
(4)制度導入の効果
勤務間インターバル制度を導入することによって、それまで夜間に出動しても翌日勤務は当たり前、と思って
いた看護師には喜んでもらえました。翌日 1、2 時間でも休めると回復力が異なります。深夜勤務の翌日の勤務中
の集中力やお客様を訪問する際の自分のコンディションも改善できるというコメントもありました。休みを取っ
た日は実際の訪問数も減るため、夕方のステーション内での報告業務も少なく、残業も減りさらに休める時間が
増やせます。看護師が休息をとることがよりよい医療や、医療安全にもつながると感じます。現場の工夫で徐々
に定着してきています。
また、当社が特に力を入れている採用面でも制度導入の効果を感じます。訪問看護事業者で他に同様の制度を
導入しているケースが少ないので、採用面で差別化できています。ホームページにも掲載し、ワーク・ライフ・
バランスに力を入れていることを外部に伝えています。はじめて訪問看護に挑戦する方も、一人で緊張するシー
ンが多い中、このような制度があれば負担が軽減できるので挑戦のハードルが下がると思います。
(5)制度の新規導入をめざす企業へのアドバイス
お客様目線で考えると、できるだけ訪問してさしあげたいと思う企業も多いと思いますが、訪問するスタッフ
の健康づくりがサービスの向上につながります。当社も最初は、勤務間インターバル制度の導入は難しいのでは
という思いも強かったのですが、みんなで工夫しながら、自分たちのため、ひいてはお客様のためになると進め、
定着してきています。
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