参考資料4 令和5年版「救急・救助の現況」 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-134.html |
出典情報 | 救急業務のあり方に関する検討会(2/20)《総務省》 |
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本書は、消防機関の行う救急業務、救助業務及び都道府県の行う消防防災ヘリ
コプターによる消防活動に関する実施状況について、数値デ-タ等を基に体系的
に整理した統計資料集であり、これらの活動に関する現状を的確に把握する上で
の重要な基礎資料として毎年度発行している。
消防機関の行う救急業務は、昭和 38 年に法制化されて以来、我が国の社会経
済活動の進展に伴って年々その体制が整備され、国民の生命・身体を守る上で不
可欠な業務として定着している。令和4年中の救急自動車による救急出動件数は
722 万 9,572 件(対前年比 103 万 5,991 件増)となっており、救急出動件数、搬
送人員ともに対前年比で増加した。一方、現場到着までの平均所要時間は約 10.3
分、病院等収容までの平均所要時間は約 47.2 分となり、延伸傾向にある。
救急搬送については、より迅速かつ効果的に救急業務を行うことを目的として、
現状の医療資源を前提に、傷病者の状態に応じた適切かつ円滑な救急搬送及び受
入体制の構築を図るため、平成 21 年に施行された消防法の一部を改正する法律
(平成 21 年法律第 34 号)に基づき、都道府県は、消防機関や医療機関等で構成
する協議会での審議を経て「傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準」を策
定している。
救急救命士については、平成3年以降、処置範囲の拡大が図られており、平成
15 年の心肺機能停止傷病者に対する包括的指示下での除細動をはじめ、気管挿
管、薬剤投与(アドレナリン)、自己注射が可能なアドレナリン製剤によるアド
レナリンの投与(エピペン)、ビデオ硬性挿管用喉頭鏡の使用が認められた。さ
らに、平成 26 年4月から、重度傷病者に対する心肺機能停止前の静脈路確保及
び輸液並びに血糖測定と低血糖発作時のブドウ糖溶液投与の処置が追加された
ところである。
平成 16 年に非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用が認め
られたことを契機に、消防庁では、住民に対する応急手当の普及啓発活動を推進
しているところであり、現場に居合わせた人(バイスタンダ-)が応急手当を行
うことで、生存率や社会復帰率の向上が期待される。また、より専門性を高めつ
つ受講機会の拡大等を図るため、継続的に応急手当の普及啓発体制の見直しを行
っており、小児・乳児・新生児に対する心肺蘇生法を学ぶ普通救命講習Ⅲ、応急
手当の導入講習に位置づけられる救命入門コースといった講習カリキュラムの
追加や、WEB 講習(e-ラーニング)を用いた分割型講習の導入など、体制の拡大
を図っている。
また、新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置づけの変更により、5
類感染症に移行したが、今回の経験や知見を踏まえ、今後の感染症に係る対応の
充実・強化が求められている。
このような状況の中、消防庁では、より質の高い救急業務を実施するため、毎
年度「救急業務のあり方に関する検討会」を開催して、救急業務の諸課題につい
て検討を行っているところである。