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歴史の転換点における財政運営 (102 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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4.社会資本整備
我が国の社会資本の整備水準は着実に向上しており、バブル景気絶頂
期の 30 年前と比較しても、令和2年度(2020 年度)時点で、高速道路
は 138%増、ジェット化空港数は 44%増、水深 14 メートル以深の港湾
(岸壁数)は 10 倍超に達している。新幹線網の拡大、汚水処理人口普及
率の向上等を含めると、生活関連施設等の社会インフラはほぼ充足しつ
つあると言っても過言ではない。〔資料Ⅱ-4-1参照〕
過去の投資の累積である政府の固定資本ストック全体を見ても、令和
元年(2019 年)において GDP 比 117.6%と推計され99、OECD 諸国の中
で1位となっている。一方、各年度の公共事業関係費を政府の固定資本形
成の対 GDP 比で OECD 諸国と比較すると、中位となっている。しかし、
我が国の政府総支出、租税収入の対 GDP 比が OECD 諸国の中で低い水
準となっていることを踏まえれば、社会保障支出と同様、公共事業関係費
は、相対的に高水準にとどまっていると言わざるを得ない。
〔資料Ⅱ-4
-2参照〕
財政全体における支出と負担のアンバランスを改善していく観点から
も、インフラ整備について、
「選択と集中」の視点に立って、
「量から質へ
の転換」を断行していかなければならない。
その際、インフラの利用者である国民や企業の居住・立地についても、
人口減少を見据えて中長期的に適正化を図る視点が重要である。
近年顕著となっている自然災害の激甚化、想定される巨大地震への備
えを考慮すれば、防災・減災の効果の最大化が求められることは言うまで
もない。同時に、経済成長に資する生産性向上の視点も欠かすわけにはい
かない。このためには、インフラ整備自体を自己目的化するのではなく、
明確な KPI(重要業績評価指標)を設定した上で、厳格な PDCA サイク
ルを回していかなければならない。
さらに、インフラの「高齢化」に伴い、メンテナンスコストが大きくな

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「国民経済計算年次推計」
(内閣府)及び“Investment and Capital Stock Dataset”
(IMF)
を基に一般政府ベースで比較。
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