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歴史の転換点における財政運営 (83 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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岸田政権においては、日本の未来を担う若者世代・子育て世帯の所得の
引上げに向けて、男女が希望どおりに働ける社会としていくために、仕事
と子育ての両立を図っていくこととされている。この点、共働き世帯が一
般的になる中で子どもを産み育てていくためには、育児休業とその期間
中の所得保障(育児休業給付)ないし保育サービスの利用が必要不可欠で
ある。しかしながら、育児休業給付については、雇用保険制度の給付とし
て位置づけられていることから、雇用保険の対象とならない非正規雇用
労働者等は受け取ることができないという課題が指摘されている。保育
については、
「新子育て安心プラン」に基づき、引き続き受け皿の整備を
進め待機児童の解消を図っていくこととしているが、両親の就労状況を
重視する保育所の利用調整基準が設けられていることにより、非正規雇
用労働者等の子どもの方が待機児童になりやすい事態が生じている可能
性がある。こうしたことを踏まえれば、非正規雇用労働者等を含め、仕事
と子育ての両立支援を図るとともに、世帯所得の向上を下支えしていく
観点から、育児休業と保育の利用の権利性を高めていくことを検討すべ
きである。〔資料Ⅱ-1-88 参照〕
総合的な少子化対策を推進する観点から、少子化社会対策大綱(令和2
年(2020 年)5月 29 日閣議決定)において掲げられた様々な施策につ
いて、予算や法律改正等を通じて着実に推進してきた。その際、不妊治療
の適用拡大については、消費税引上げによる増収分を活用した社会保障
の充実のみならず保険料財源の活用により実現するとともに、
「新子育て
安心プラン」に基づく保育の受け皿整備については、事業主拠出金などに
より財源を確保したことに留意する必要がある。少子化対策を含む子ど
も・子育て支援を引き続き推進していくに当たっては、引き続き、将来世
代への負担の先送りとならないよう安定的な財源を確保しつつ、真に効
果のある施策に重点的に取り組んでいくことが重要であるが、安定的な
財源確保に当たっては、このように税財源以外の方策も含め幅広く検討
を行っていく必要がある。〔資料Ⅱ-1-89 参照〕
具体的には、社会保険制度においては、妊娠・出産、子育てに関する現
金給付がかねてから存在している。少子化対策は、賦課方式をとる我が国
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