歴史の転換点における財政運営 (95 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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その結果、令和4年度(2022 年度)の配分額の分散は令和3年度(2021
年度)に比べ大きくなったものの、運営費交付金全体の配分に与えるイン
パクトは依然小さく、引き続き教育・研究の質の向上に向けてメリハリを
強化していくことが重要である。また、一部取組指標では多くの大学が達
成しており共通指標としての意味合いが薄れているものが見られるほか、
指標としている若手研究者の比率が5割超の大学で低下しているといっ
た課題もある。取組指標の見直しや、積極的に若手研究者の採用に取り組
む大学のインセンティブの強化などに引き続き取り組む必要がある。
〔資
料Ⅱ-3-23 参照〕
④ 教育費の負担軽減
教育費の負担軽減については、令和2年(2020 年)4月より、消費税
率引上げにより財源を確保して、高等教育の修学支援新制度が開始され
た。制度開始前の令和元年度(2019 年度)と令和2年度(2020 年度)を
比較すると、令和2年度(2020 年度)は主に私立大学の定員が増加して
おり、特に定員充足率 90%未満の私立大学の学生数の増加割合が大きく
なっている。また私立大学の収支も、令和元年度(2019 年度)までは横
ばいであったが、令和2年度(2020 年度)には、定員充足率の低い私立
大学も含めて大幅な改善が見られる。しかしながら、制度導入前の平成
30 年(2018 年)秋の建議90で指摘したとおり、この制度が大幅な定員割
れ大学に対する支援になってしまうことや、その結果として、これらの大
学が国民の税負担によって救済されることはあってはならない。現在の
修学支援新制度は、対象となる大学等の要件(機関要件)として、3年連
続赤字、前年が負債超過、3年連続定員充足率8割未満の全てに該当する
場合に対象外とされているが、機関要件を厳格化するなどの見直しは必
須である。〔資料Ⅱ-3-24、25 参照〕
また、教育費の負担軽減策として言及されるのが、オーストラリアの
90
「平成 31 年度予算の編成等に関する建議」
(財政制度等審議会(平成 30 年(2018 年)11 月
20 日)
)
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