歴史の転換点における財政運営 (30 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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真に子ども・子育て世帯のためになる支援の充実と安定的な財源確保に
向けた議論が求められる。
以上のように、各制度の節目の年を迎えるに当たって、着実に進めるべ
き社会保障の具体的な改革項目を示す。
(1)新型コロナウイルス感染症への対応
社会保障分野での新型コロナへの対応について、特に医療と雇用・生活
支援については感染拡大当初から拡充や特例的な対応を重ねてきたとこ
ろであり、その措置の多くは今もなお継続されている。その予算措置の規
模は主なものだけで、医療提供体制等の強化のために 16 兆円程度、雇用・
生活支援で6兆円以上となっている。これまでの対応について検証を行
うことは当然であり、より効率的・効果的な支援への見直しに取り組むと
ともに、目指すべき平時からの対応につなげていく必要がある。
① コロナ禍における医療
上記のとおり、これまで医療提供体制等の強化のために主なものだけ
で 16 兆円程度国費による支援が行われてきた。支出の効果が当初の目的
に沿ったものであったのか、支出規模が適切であったのかなど、しっかり
と PDCA サイクルを回して検証する必要がある。以下は、このうち当審
議会として課題と考える諸点を示したものである。〔資料Ⅱ-1-1参
照〕
ア)医療機関への支援
医療機関及び医療従事者への国費による支援は、ワクチン接種費用を
含めた単純な計算で、少なくとも8兆円程度に上っている。こうした支援
の結果もあり、国公立病院の令和2年度(2020 年度)決算は従前と様変
わりした。大幅な黒字となり、流動資産が積み上がっているのである。ま
た、民間の医療法人の経営実態についても、昨年末に公表された医療経済
実態調査によれば、新型コロナに関連して交付された補助金を含めれば、
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