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歴史の転換点における財政運営 (114 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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の強化を図るためにも、再生可能エネルギー最優先を原則としつつ、原子
力を含むあらゆる選択肢を追求すべきである。
地球温暖化対策に係る予算事業は、主にエネルギー対策特別会計にお
いて、省エネ・再エネ設備等の導入支援、省エネ等技術の研究開発・実証
事業への補助を中心に実施している。これらの予算事業については、民間
の自主的な取組を促し、産業構造・経済社会の変革116や非連続的なイノベ
ーションに資するものとすべきであり、施策の必要性・有効性・効率性を
不断に検証し、重点化していく必要がある。〔資料Ⅱ-5-5参照〕
特に、導入支援については注意が必要である。例えば、クリーンエネル
ギー自動車導入支援事業補助金を見ると、過去には、量産効果による価格
低減の促進が見込まれない車種への補助が過大に行われていた可能性が
あった。近年、顧客からニーズのある電費性能の高い車種へインセンティ
ブが付与されるスキームへと変更している。導入支援を行うに当たって
は、こうした例を参考に、いたずらに予算額を増やすのではなく、導入効
果の高いものとなるよう、質の向上を不断に検証していく必要がある。
〔資料Ⅱ-5-6参照〕
エネルギー対策特別会計における地球温暖化対策に係る予算事業は、
石油石炭税117を財源として実施しているが、二酸化炭素排出量削減の取組
による原油輸入の減少等に伴い、中期的には減少していくことが見込ま
れる。今後も地球温暖化対策を行っていくに当たっては、必要な財源を確
保しながら取り組んでいく必要がある。その際、財源効果のある炭素税や
排出量取引といったカーボンプライシングについて、負担の在り方にも
考慮しつつ、成長に資するものとなるよう、早期に議論を進めていくべき
である。なお、カーボンプライシングには、炭素の価格付けにより、国民
全体を巻き込む脱炭素への行動変容を促すという価格効果もあるととも
に、我が国のサステナブルファイナンス市場をいかに拡大させるかとい
116

諸外国においても二酸化炭素排出量の削減に向けて、産業構造や経済社会の変革に取り組ん
でいる。他方、産業構造等の変革が雇用に与える可能性を踏まえ、円滑な労働移動にも留意す
る必要がある。
117 石油石炭税について、課税対象ごとの本則税率を二酸化炭素排出量1トン当たりで比較する
と、石油製品等に比べて石炭が低く、二酸化炭素排出量に比例的ではないため、地球温暖化対
策としては不適切ではないのかとの意見があった。
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