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歴史の転換点における財政運営 (70 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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全世代型社会保障の構築は、現役世代への給付が少なく、給付は高齢世
代中心、負担は現役世代中心というこれまでの我が国の社会保障の構造
を見直していく取組である。年齢が上がるほど保険給付範囲が広がる現
在の患者負担の仕組みは、
「現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中
心」という構造そのものである。
そこで、現在9割給付(1割負担)とされている後期高齢者について、
本年 10 月から8割給付(2割負担)を導入することとしているが、この
後期高齢者医療制度における患者負担割合の見直しは、現役世代の保険
料負担の上昇を抑制し、
「負担は現役世代中心」という構造の見直しにも
つながるものであり、その着実な施行に努めるべきである。
翻って社会保険の原則を考えれば、
「能力に応じて負担し、必要な時に
公平に給付を受ける」ことであり、給付については、年齢に関わらない公
平な給付率(患者負担割合)を目指すのが本来の姿であることを忘れては
ならない。したがって、患者負担の在り方については、今後とも不断の見
直しが必要であり、我が国において、高額療養費制度が完備されており、
患者負担の上昇が患者に与える影響には歯止めが掛かることも踏まえて、
引き続き取り組まねばならない。
こうした社会保険の原則にかかわらず、現実の社会保険制度において
は、所得に応じた給付率の差が設けられているが、この点については、社
会保険制度に多額の公費が投入されている現状においてその重点化を図
る観点から許容されるべきと考える。他方、就労への影響の観点も踏まえ、
極力金融所得、さらには金融資産の保有状況を勘案した制度設計として
いくことが重要である。
〔資料Ⅱ-1-66 参照〕
イ)能力に応じた保険料負担
全ての世代が安心感と併せて納得感を得られる全世代型の社会保障に
転換していくためには、能力に応じた保険料負担を徹底していくべきで
あり、保険料負担でこそ、金融所得、さらに金融資産の保有状況を勘案し
た制度設計の徹底が求められる。
後期高齢者医療制度において、介護保険制度も参考としつつ、高齢化に
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