歴史の転換点における財政運営 (46 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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病院・病床当たりの医療従事者数が手薄となるなど医療資源が散在して
いる。そのことが病院勤務医・看護師の長時間労働をもたらすとともに、
一人一人の患者への十分な対応が阻まれる。この結果、患者がその状態に
合った医療を必ずしも受けられず、
「低密度医療」を招いてきた可能性が
ある。その結果として入院期間が長期化すれば、患者の QOL(生活の質)
は低下する。
地域医療構想の推進は、このような医療資源の散在とそれによっても
たらされている弊害を是正し、医療の質の向上をもたらすための取組で
あり、急性期にふさわしい医療機能を果たす医療機関に医療資源を集約
化するなどにより、持続可能な医療提供体制の構築を目指すはずであっ
た。この取組の状況がはかばかしくなく、医療資源の散在がいまだ是正さ
れず、病床をはじめとする医療機能の分化が進んでいない段階で新型コ
あしかせ
ロナの感染拡大を迎えたことが、新型コロナへの対応の足枷となったこ
とは否定できない。
〔資料Ⅱ-1-33 参照〕
b)コロナ禍を踏まえた取組強化
今般の新型コロナへの対応では、地域全体を視野に入れた適切な役割
分担、医療機能の分化・強化、連携等の重要性が認識されたところであり、
改めて浮彫りとなった課題にも対応できるよう、効率的で質の高い医療
提供体制の構築に向けた取組を引き続き着実に進めることが必要である。
具体的には、第8次医療計画(令和6年度(2024 年度)~令和 11 年度
(2029 年度))の策定作業と併せて、今年度及び来年度において、地域医
療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検
証・見直しを行うとともに、検討状況について定期的に公表を行うことと
されている。その際、医療費適正化計画上も地域医療構想の推進を必須事
項として位置付けることを含め、地域医療構想の法制上の位置づけを強
化することや、地域医療構想調整会議の透明性を向上させる必要がある。
また、実効性を高めるための環境整備を行い、都道府県における地域医療
構想の達成状況の「見える化」や、未達成の場合の都道府県の責務の明確
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