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歴史の転換点における財政運営 (63 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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狭くなった。また、既収載品目の算定ルールのうち、実勢価改定と連動し
その影響を補正するもののみを適用し、
「長期収載品の薬価改定」や「新
薬創出等加算の累積額の控除」等が適用されなかったことからも、毎年薬
価改定が完全実施されたとまでは言えない。これらの点を見直し、完全実
施を早期に実現すべきである。
また、市場実勢価格の加重平均値に対して上乗せを行っている調整幅
の在り方については、大臣合意において、引き続き検討することとされた。
「医療機関の平均的な購入価格の保障」という考え方や、
「流通安定のた
め」の調整比率という制度趣旨以上の説明がなされないまま、価格の高低
を問わず全医薬品について一律に2%という水準が約 20 年間固定され
ている。水準の合理的な根拠の説明もないままに、薬価改定の効果を目減
かさあ

りさせ、保険料負担・患者負担・公費負担を嵩上げしていることは、大き
な問題と言わざるを得ない。可及的速やかに、廃止を含めて制度の在り方
を見直し、少なくとも段階的縮小を実現すべきである。
〔資料Ⅱ-1-54、
55 参照〕
g)薬剤費総額に係るマクロ経済スライド制度の検討
薬剤費総額については、既に述べたとおり、薬価改定が行われなかった
場合の年平均5%程度の伸び率を薬価改定により年平均伸び率2%弱ま
で調整しており、薬剤費の適正化は一定の成果を挙げていると見ること
もできる。しかし、あくまで事後的なものに過ぎない。事前の財政規律が
らち

設けられておらず、新規医薬品の保険収載などが事前の予算統制の埒外
となっていることは、財政の予見可能性が乏しいと言わざるを得ない。
他方、真にイノベーティブな新薬等についてまで薬価改定が行われる
あいま

ことについては、改定ルールの頻繁な変更と相俟って、イノベーションを
阻害するとの指摘がある。
そこで、真にイノベーティブな新薬等については薬価を一定期間維持
することとしつつ、事前の財政規律として薬剤給付費の伸び率が経済成
かいり

長率と乖離しないといった薬剤費総額に係るルールを設け、その実効性
を担保するために他の医薬品薬価改定率を調整するマクロ経済スライド
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