歴史の転換点における財政運営 (108 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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整備に伴う追加的な効果は、近年、減少傾向にあると考えられる。
ストック効果を最大化するための事業選定や事業執行の在り方につい
て、
「量から質への転換」の観点も踏まえ、抜本的に見直す時期に来てい
る。
① 民間投資を促進するためのインフラ整備
民間投資を促進するため、社会資本整備総合交付金106において、産業拠
点の形成と併せたアクセス道路の整備を「重点配分」の対象と位置づけ、
地方公共団体からの要望額に対する配分率を高くしている。
こうしたインフラ整備は、当該民間投資に向けたプロセスが順調に進
展することが前提となるのは当然である。ところが、当該プロセスが中断
し、民間投資先となる産業拠点形成が頓挫、あるいは見込みが立たなくな
ってしまっているにもかかわらず道路整備のみが進められる事例が存在
する。これらは「重点配分」の要件を満たさないとして、配分率を引き下
げるのは当然として、そもそも、前提条件となるプロジェクトが危うくな
っている道路整備の継続自体が問われるべきであろう。
〔資料Ⅱ-4-11
参照〕
インフラのストック効果を着実に発現させるためには、こうした予算
配分のメリハリを制度的に担保することが重要である。インフラ整備へ
の支援について、ストック効果発現に至るプロセスと連動させ、複数年に
わたりその進捗に応じた支援のインセンティブ/ディスインセンティブ
を設けることが有効であると考えられる。
例えば、民間投資を誘致しようとする地方公共団体向けのインフラ整
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例えば、アジアの主要港(釜山港)において他国から集積されて最終目的地に輸送されるコ
ンテナ貨物量は、628 万 TEU※(2010 年)から 1,202 万 TEU(2020 年)へと大幅に増加して
いるものの、日本の主要港(京浜港、阪神港)における同様のコンテナ貨物量は、45 万 TEU
(2010 年)から 10 万 TEU(2020 年)へと減少しており、日本の港湾のハブとしての機能は
相対的に低下していると考えられる。※TEU(20 フィートコンテナ換算)
:長さ 20 フィート
のコンテナ1本を表す単位
106 国土交通省所管の地方公共団体向け個別補助金を一つの交付金に原則一括し、地方公共団体
にとって自由度が高く、創意工夫を生かせる総合的な交付金として平成 22 年度(2010 年度)
に創設。令和4年度予算において 5,817 億円を計上。
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