歴史の転換点における財政運営 (117 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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「ものづくり補助金118」や「事業再構築補助金119」の補助上限
について、中小企業の実態等に即して見直したところであるが、今後も、
不断に見直していく必要がある。〔資料Ⅱ-6-4参照〕
第四に、不正の誘因となるおそれもある。持続化給付金等は、簡素な申
請、迅速給付を旨として設計したものの、不適切な受給が相次ぎ社会問題
化しており、今後も不正の実態を踏まえた見直しが必要である120。〔資料
Ⅱ-6-5参照〕
新型コロナに加え、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰によ
る影響など、中小企業等を取り巻く環境は目まぐるしく変化している。局
面の変化を見極めつつ、真に必要な先に着実に支援を届ける一方、一時的
かつ非常時の支援については順次縮減・見直しするなど、メリハリを強化
すべきである。また、これまでの施策の効果について検証すべきである。
こうしたことを通じて、自助努力を旨とし、経営の革新や創業の促進等を
掲げる中小企業基本法の理念121を踏まえ、新たな産業創出、就業機会の増
大、市場競争の促進、地域経済の活性化等、重要な使命を有する中小企業
について、その多様で活力ある成長発展を図るべく、施策の在り方を不断
に見直していくべきである。
118
中小企業等が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投
資等を支援する補助金。
119 ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための「事業再構築」を支援
する補助金。
「事業再構築」とは、
「新分野展開(新たな製品等による新たな市場への進出)」
、
「事業転換(主な事業の転換)
」
、
「業種転換(主な業種の転換)」、
「業態転換(製造方法等の転
換)
」又は「事業再編(事業再編を通じた新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換)
」の
5つを指し、これら5つのうち、いずれかの類型に該当する事業計画を策定することが必要。
120 持続化給付金の自主返還申出件数は約 2.2 万件(返還済額:約 166 億円)
、不正受給認定数は
1,209 件(約 12 億円)
、家賃支援給付金の自主返還申出件数は約 1,100 件(返還済額:約 8.7
億円)
、不正受給認定数は 45 件(約 1.2 億円)(家賃支援給付金の不正受給認定数は令和 4 年
(2022 年)4 月 7 日時点、その他はいずれも令和 4 年(2022 年)5 月 19 日時点)。
121 中小企業基本法(昭和 38 年法律第 154 号)第 3 条では、
「中小企業については、
(中略)新
たな産業を創出し、就業の機会を増大させ、市場における競争を促進し、地域における経済の
活性化を促進する等我が国経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有するもので
あることにかんがみ、独立した中小企業者の自主的な努力が助長されることを旨とし、その経
営の革新及び創業が促進され、その経営基盤が強化され、並びに経済的社会的環境の変化への
適応が円滑化されることにより、その多様で活力ある成長発展が図られなければならない。」と
の基本理念を定めている。
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