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歴史の転換点における財政運営 (65 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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提供体制が実現すれば入院医療費が適正化されることを前提に「医療費
の見込み」が計算されている。
ところが、都道府県医療費適正化計画において、医療費適正化のため推
進すべき個別の施策としては、地域医療構想の推進や「医療の効率的な提
供の推進」よりも「住民の健康の保持の推進」が重視されている。その背
景には、予防・健康づくりを行うことで医療費適正化が期待できるとの考
えがある。しかし、既に述べたとおり、そのエビデンスは乏しく、むしろ
医療費は増加するとの指摘・研究も多い。現在の都道府県医療費適正化計
画の枠組みのもとで相当の財政支出を追加して進めてきた特定健診・特
定保健指導でさえ、かなりの医療費適正化効果を期待されていたものの、
コストを上回る実証的・定量的な医療費適正化効果はいまだ示されてい
ないのが実情である。なお、特定健診・特定保健指導については、一昨年
の行政改革推進会議でも事業効果について検証し、在り方を検証するこ
ととされている。
地域医療構想の推進を必須事項として位置付けることを含め、都道府
県医療費適正化計画において推進すべき施策の優先順位を見直すことは
不可欠である。とりわけ、医療費適正化を可能とするための施策として考
えるにはエビデンスが乏しいにもかかわらず、予防・健康づくりを「医療
の効率的な提供」より重視している結果、都道府県において「医療の効率
的な提供」の推進が図られにくい状況が生じている。予防・健康づくりの
推進を理由に他の医療費適正化策の手を緩めることがあってはならない。
都道府県医療費適正化計画において、後発医薬品の使用促進のみなら
ず、地域フォーミュラリの策定、多剤・重複投薬の解消、長期 Do 処方か
らリフィル処方への切替え、都道府県域における公立病院における費用
構造の改善など、「医療の効率的な提供の推進に関し、達成すべき目標」
について充実・具体化を図り、都道府県における医療費適正化努力を促し
ていくべきである。
〔資料Ⅱ-1-57 参照〕
都道府県医療費適正化計画においては、現状、計画上の「医療費の見込
み」が保険料等の負担と連動せず、かつ、計画期間中診療報酬・薬価改定
や制度改革の影響が生じても更新されない仕組みとなっている。このよ
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